さて、島耕作、今度は社外取締役になるそうですね。賛否両論あるようで。自分はジオコード、ネットスターズの2社の社外取締役をつとめさせていただいていることもあり、社外取締役について日々思うところもあります。

 もちろん、コーポレートガバナンスの強化とか、監視役とか、社外取締役にはこうした基本的な役割はもちろん大事だと思います。ただ、それにくわえて、自分の経験では、社外取締役は1.生かすも殺すもトップ次第、2.次の経営の担い手、が論点ではないかと思っています。

 1.生かすも殺すもトップ次第、京セラの稲森氏の言を俟つこともなく、どんな企業もやはりトップで決まるところが大きいと思います。で、トップの役割の一つは「使う」ことだと思います。当たり前ですが、会社はトップ一人では回りません、なので、従業員を雇って、適材適所に配置することも「使う」ことですし、社外取締役を「使う」のもトップの仕事でしょう。

 自分の理解では、この「使い方」はいろいろあって、たとえば、トップがある施策を進めようとしていたけど、社内は反対しているなかで、社外取締役を「使う」のはよくありますよね。ただ、この場合、その施策を進めるのが本当に良いのか、悪いのか、悪いなら全力で止める、胆力が必要でもあり、耳障りな事案をあえて発言するのも社外取締役の仕事の気もします。まあ、仲良しのお友達だけでは意味ないですしね。ちなみに、この「使う」というのは、前のアプリックスでトップをつとめていたとき、社外取締役の平松さんから常に「俺を使え」と叱られた影響がありそうです笑

 2.次の経営の担い手、たしか、元カルビーの松本さんはカルビーの社外取締役をつとめたことで、スムーズにトップになれたといいます。これは自分も同じ経験があり、前のアプリックス、今の野原も社外監査役からスタートしました。落下傘部隊というのでしょうかね、いきなり、全く知らない会社に外部から落下してトップになるケースもありますが、これは難易度が高いような気がします。むしろ、取締役会でどんな意思決定をしているのか、何が課題なのか、どんな社員がいるのか、社外取締役であれば全部ではないですが、ある程度、把握はできるのではないでしょうか。

 閑話休題、社外取締役島耕作、彼は業界3位の塗建会社であるウエマツ塗建工業の社外取締役に就任するそうで、同社では社長が島耕作と同じ年75歳ですが、息子と愛人の息子の跡継ぎ問題でお家騒動になっているようです。で、社長が島耕作をお家騒動収束にむけて1.どう島耕作を「使う」のか、はたまた、2.次の経営の担い手として島耕作が復帰するのか!?楽しみにしたいと思います。