今週(5月11日)の週刊ダイヤモンドの特集は、”仕事消失時代”に生き残るビジネスマン、このところよく見かけるテーマだけど、なかなかよくまとまっていると思った。
仕事を奪うIT
最近、つらつらと考えているのは、ITと仕事の関係。いうまでもなく、コンピュータに人間の仕事の一部を任せることによって、生産性を上げる、30年前くらいからOA(Office Automation)革命と言われたけど、今も昔もこのコンセプトに本質的な違いはないと思う。でも、コンピュータに仕事を任せれば任せるほど、人間の仕事がなくなる。これはいいことでもあって、悪いことでもあるとおもう。
自分もOA化の現場にしばしば立ち会うことがあり、先日では、ある経営者は「うちもシステム入れ替えて、全部、電子化にしたいけど、電子化にすると、人がいらなくなるので、地元の雇用に影響がでてしまう」と。米国流にいけば、バッサリ余剰人員を削減するのが、”合理的”なんだけど、地元にとっての企業は”共同体”的な要素もあるので、なかなか踏み込めないようだ。
ただ、最近感じるのは、この特集にも言及しているように世の中の多くが”サービス化”していること。サービス化の定義はいろいろあるけど、自分の理解は、”価値が情報によって決まる要素が多い”ことだと思う。例えば、100円でつくった鉛筆を110円で売る場合と、この鉛筆の出自、いかに希少であるかという”情報”を付与して300円で売る場合、言うまでもなく後者の方がサービスとしての価値が高い。というわけで、結局、サービス化するということは、情報あるいはOA化と切っては切れない関係にあるんだと思う。
生涯現役社会
じゃ、どうするか?世の中すべての人間が、”ある製品に情報という付加価値をつけてプロデュースする”プロデューサー”になるのはあまり現実的ではないと思う。結局のところ、記事の清家慶應塾長が指摘するように、”2030年代には、「3人に1人」が65歳以上になる。人口の「3分の1」にもなる人たちを特別扱いすることはできない。意思と能力のある人がいつまでも働き続ける社会、すなわち生涯現役社会を作らなければならい”なんだと思う。
どうやって生涯現役をつくるか、やっぱり、これって”意思”なんだろうと思う。自分が独立した理由の一つは生涯現役でいたいと思ったから。80歳くらいまでインディペンデントコントラクターとしてマネージメント(経営管理、プロジェクト管理)の仕事をしたいと思っていて、かりにサラリーマンだったら自分の年だと折り返し地点だけど、80歳ピークだとまだまだ学ぶことが多くてこれからです。いずれにしても、今回の特集からいろいろ学ぶことがありました。
もくじ
・こうしてあなたの「仕事」は消失する(Part1)
1.日本的雇用慣行のひずみ(年功賃金制度の崩壊など)
2.スキルの陳腐化(自己完結型の目的達成力)
3.産業構造の変化(製造業・建設業従事者の減少など)
4.IT・ロボットの進化(無人化・省エネ生産ラインの配置、開発者・技術者の配置転換が困難)
5.グローバル化の加速(新興国の台頭)
→5つの雇用激変が「男性ミドル」にしわ寄せ
・5つの激変が招くミドル世代の受難(Part2)
1・狙われる中高年社員:賃金抑制・雇用調整の包囲網
2.能力やスキルの陳腐化であなたの居場所がなくなる
3.サービス業への産業シフトで男は仕事喪失、女は雇用創出
4.有資格者も安心できないホワイトカラーと機械との競争
5.日本人の居場所を脅かすトップ級”外国人との競争”
・40歳から始めようキャリアチェンジの心得(Part3)
・職種・業種の垣根を越える”ポータブルスキル”
・組織で働く人も”市場で生きる力”を身につけよ