かつてアナリストとして、上場企業の経営者にインタビューしたときのこと。
自分はかつて、大学で長いこと研究生活を送ったこともあり、ITのことは何となくわかったけど、たとえば、半導体、自動車になると、よくわからない。で、その上場企業は、一応、IT企業だけど、かなり別の分野に特化した分野で、正直、全然事業がわからなかった。
それで、経営者は、”こいつわかってないな”とすぐに看破する、もちろん、だからといって何も教えてくれないというわけではないけど、深い議論ができない。それで、そのときも、自分のトンチンカンな質問からそう思ったのだろう。まさに、言葉はオブラードに包みながらも、”こいつわかってないな”オーラ全開だった。
”わかってない”からどうなるわけでないけど、やはり、そのときは悔しかった。
自分がもうちょっとその分野のことを知っていれば、もっと、良い話を聞けたかもしれないと。
爾来、新しい分野で心がけるようになったこと、それは、片っぱしから、その分野の本を読みあさること。
いまでも、自分の全く知らない分野の新規事業企画、コンサル等の依頼をいただくことがある。いままで自分が持っているノウハウを提供するだけなら、勉強する必要はないけど、独立するとそうはいかない。やはり、必然的に新しい分野にチャレンジして、それを自家薬籠としないと食べていけない。
そのときも、まず、最初にやることが、その分野の本を片っ端から読む。
とくに、最近では、Amazon.comのマーケットプレイスを使うと、送料はかかるものの、中古でかなり安く欲しい本を手に入れることができる。ひと昔前だったら、古本屋めぐりをしなくちゃいけないところだけど、最近は、よくも悪くも古本屋めぐりがなくなった。
やはり、全然知らない分野なので、本を読んでも正直よくわからない。でも、何冊か読んでいくと、だいたい、最大公約数的な似たようなところがあって、それを抑えていくと、なんとなく、わかったつもりになっていく。たとえば、自分でいえば、ずっとITをやってきたので、ITのたとえで理解するようにしている、たとえば、簿記は、TCP/IPと同じで、ゆるやかな枠組みだけ提供してエンドが頑張る、のような。
それで、最大公約数からどうやって細部に入るかは、また、次回。