Peacesoftは、2001年、Nguyen Hoa Binh CEOが学生のときに立ち上げたクロスボーダーのEコマースを手掛ける企業です。同社の主要ビジネスは、1.ペイメントインフラ、2.国内Eコマース、および、3.クロスボーダーEコマースの3部門。
1.ペイメントインフラについては、オンラインペイメントシステムであるnganluong(https://www.nganluong.vn)を独自で開発、銀行などにライセンスしており、ベトナムでナンバーワンのオンラインペイメントプラットフォームとなっています。ペイメントインフラにくわえて、オンライン広告のAdnet(http://www.adnet.vn) の運営、シッピングシステムの開発とITに特化したECのインフラを提供しています。
2.国内Eコマースについては、上記のプラットフォームの国内展開にくわえて、最近、注力しているのが、モバイルペイメント・POS、同社では、SquareのようなモバイルPOS端末の国内展開を実施しています。とくに、ベトナムでは近年クレジットカードが普及しつつあり、“部下がクレジットカードをもっていてびっくりした”(日系企業の日本人の方のコメント)という指摘もあり、クレジットカード利用が高まっています。
くわえて、日本のように宅急便が“確実”に配達してくれるわけではなく、ECの普及率も低い(Binh CEOによればベトナム小売のなかにECが占める割合は0.5%)ため、モバイルペイメントの需要が高まっており、そのソリューションとして提供しています。
3.クロスボーダーECについては、最もわかりやすいのが、ebay.vnの運営。ebay.vnで商品を購入すると、Peacesoftが代理でebayにて購入し、それを購入者に届けるという仕組みです。そして、このドロップシッピングの仕組みを拡張し、ebay, TaoBao(中国最大のECモール)、ヤフー、楽天などから商品を仕入れ、それをASEAN諸国(現状の構想では、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア)へ展開を計画しています。
同社には、ベトナムのVCであるIDGグループ、ならびに、ソフトバンク(アジア統括)が出資。ベトナム国内におけるペイメントインフラの実績、ならびに、ECというぶれない軸がPeacesoftの企業価値と個人的に感じました。