自分にとって、サントリーという会社はGoogleとならんでビジネスモデルを考えるうえで、いろいろな気づきを与えてくれる素晴らしい会社です。
昨日もそんな気づきがありました。訪問した店は「串カツ田中」という、カテゴリ的にいえば、大衆居酒屋チェーン。おそらく、サントリーは、ジンビームを売りたいんだと思う。
で、どう売るか?そのアプローチがチンチロリンジンビーム。さいころをふって、ぞろ目であれば一杯無料、合計が偶数であれば1杯半額。自分が思うに、ぞろ目がですぎると運営は厳しくなるので、おそらく、サントリーがジンビームを売るということで販売促進費を出していると思う。あくまで推測ですが。
ここで重要だと思うのは、マジョリティへのリーチ。おそらく、ジンビームそのものを売っているのでは、たとえ、CMにレオ様、ローラを起用してもリーチできる層は限定されると思う。でも、えげつないかもしれないけど、ハイボール+キャンペーンで、一気にマジョリティにリーチする、これは学ぶべきことだと思う。
企業が時を越えて脈々と受け継がれる文化、これを企業のDNAと定義すれば、この会社のDNAはマジョリティへのリーチだと思う。前クールの朝ドラ「マッサン」では、スモーキーフレーバーの本場のスコッチウイスキーにこだわるマッサンに対して、サントリーの創業者がモデルといわれる鴨居の大将はあくまでも日本人の舌にあうウィスキーを追及した。そして、このDNAは、チンチロリンジンビームという形で息づいていると思う。
最近思うことは、素晴らしい技術・製品は世の中にたくさんある。そして、技術・製品を深堀することは重要だけど、その技術・製品を広く使ってもらうこともとても重要。で、どうやって使ってもらうか?サントリーの「チンチロリンジンビーム」の売り方は学ぶところが多いと思ったのでした。