会計ソフトと関心を持つこと

4月 7th, 2016 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 | 長橋のつぶやき - (会計ソフトと関心を持つこと はコメントを受け付けていません)

 先日、ある方とお話しして、なるほど、と思ったことです。

 その昔、アナリストをやっていて気が付いたのは、会計ソフトを開発・販売している会社は利益率が高くて、景気にあまり変動なく業績が安定している。で、それはなぜだろうというのが、前からの疑問でした。

 で、その方いわく、会計ソフトが変更が多い。たとえば、消費税は本当であれば昨年の10月から10%になる予定だったけど、いまのところ、8%、さらには今後も変わる可能性がある。くわえて、今後は軽減税率で、品目によって消費税が変わる可能性もあると。

 というわけで、ソフトを使っている方にとっては、やはり、こうしたイベントが起きると更新せざるをえない。そして、重要なのは、こうした更新というイベントにおいて、要所要所でコミュニケーションがあること。

 まあ、オンラインであればアップデートだけでいいけど、たとえば、営業が「消費税が上がるのでアップデートお願いします」という動機ができて、そっから、芋づる式にお客さんのニーズに応えていくと。

 マザーテレサはこう言ってます。「愛の反対は憎しみではなく無関心です」と。ソフトを入れっぱなしで、おカネだけもらって、その後、無関心の放置プレーだったら、やっぱり、お客さんとしては、もういいや、となってしまう。でも、消費税が変わるタイミングでセールストークを仕込んで、お客さんに関心をもつ、これが会計ソフトの高い利益率、業績の安定につながるのかなあと。ただ、これって会計だけではなくて、お客さんに関心をもつ、これが大事なんだと思いました。
 

アンディ・グローブを悼む

3月 22nd, 2016 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (アンディ・グローブを悼む はコメントを受け付けていません)

 インテル創業者アンディ・グローブが亡くなったというニュースにショックを受けました。自分は直接、彼の謦咳に接したことはないものの、彼と直接触れ合った知り合い、そして、彼の著書から、深く影響を受けました。理系出身のマネジメントとして、はるか先な自分のロールモデルとして心から尊敬していました。心よりご冥福を申し上げます。

 自分の理解しているなかで、彼の卓越したリーダーシップは2点。ひとつは、思い切ったDRAMの撤退。もともと、DRAMメーカーとして成功したインテルが1980年代、日本勢の興隆にシェアを奪われ、忸怩たる思いでDRAM事業から撤退する。でも、その勇敢な撤退のおかげでマイクロプロセッサーに注力し、CPU市場で圧倒的なポジションまで昇華したと。

 もうひとつはインテル、そして、Googleのようなシリコンバレーの会社に広く導入されている人事制度MBO(Management By Objectives)をインテルに導入したこと。社員一人一人が目標(Objectives)を設定して、それを成し遂げることが会社の目標となる考え方。

 自分も経験があるけど、上司と部下がいるとして、上司は部下を管理しなくてはいけないということで、箸の上げ下げ並みにプロセスをいちいち管理しようとする。でも、プロセスじゃなくて、達成した目的に対して評価する、だから、自分の設定した目標を達成すべく努力する。これは素晴らしいアプローチだと思う。そして、こうした彼の残した考え方は後世にまで受け継がなければいけないと思いました。

休むも仕事

2月 17th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (休むも仕事 はコメントを受け付けていません)

何がきっかけか覚えていないのですが、たぶん、終戦の詔書を一部加筆し、平成という元号を考案したあたりかと、昭和の碩学 安岡正篤師の著作を折あるごとに読んでいます。

 彼の記述でよく登場するのが、「閑に耐える」、すなわち、閑に耐え、閑に安んじ、閑を楽しみ、閑を活かすような人が偉い人だとあり、なるほどなあ、と思いました。

 で、今日(2月16日)の毎日新聞のニュースで「<働かない働きアリ>集団存続に必要 働きアリだけは滅びる」というニュースにいたく感じ入りました。アリの世界は、8:2の法則で、働くアリが8割、働かないアリが2割。そして、この働く8割のアリだけをピックアップしても、かならず、働かないアリがでて、これが「謎」だったと。で、北海道大学等の調査によると、最初よく働いていたアリが休むようになると、働かなかったアリが動き始めることを確認したと。ま、言ってみれば、サッカーにしてもどんなスポーツにしても控えが必要ということかもしれない。

 と考えると、働かない=「閑に耐える」というのは、否定すべきことでもなく、むしろ、閑を活かす人が偉いのかもしれない。ま、株式相場でも、「休むも相場」なんてよくいいます。そう、90分フル出場しなくてもいいかもしれない。

 というわけで、結論、Take it easy、気楽にいきましょう、休むも仕事。あわてないあわてない。一休み一休み。

<働かない働きアリ>集団存続に必要 働きアリだけは滅びる

【連載】世界 ハイテクウオッチ Apple Musicで「瀕死」のパンドラ、巨人に囲まれても活路を見出す「奇跡の一手」とは

2月 5th, 2016 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (【連載】世界 ハイテクウオッチ Apple Musicで「瀕死」のパンドラ、巨人に囲まれても活路を見出す「奇跡の一手」とは はコメントを受け付けていません)

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連載中の世界ハイテクウオッチにパンドラの記事を寄稿させていただきました。

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
Apple Musicで「瀕死」のパンドラ、巨人に囲まれても活路を見出す「奇跡の一手」とは
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30719

隙間を探す

1月 28th, 2016 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (隙間を探す はコメントを受け付けていません)

 割と自分は本を読むのが好きで、Amazonだったり、Book Offであったり、書店であったり、いろいろなところで買うけど、もう何年も数か月おきに買うのが、honto.jp(もとbk1.jp)です。

 ネットで本といえば、Amazonなんだろうけど、Amazonの問題点は、いい意味でも悪い意味でもフィルタリングすること。たしかに、似た本を探すのはいいけど、同じようなジャンルになってしまって、意外と使いずらい。

 で、honto.jpを使う理由は、一つしかなくて、新刊の情報が充実していること。そして、まったくフィルタリングされていないので、Amazonよりも広い世界に入った気がするのです。最近は、本屋も減ってますが、古き良き本屋かもしれない。

 と考えると、ネットで本といえばAmazonだけど、Amazonが一人で全部もっていくわけでもない気がする。少なくとも、自分はAmazonも使うけど、honto.jpも使うと思う。

 たぶん、これはEC全般にいえる話で、どこか強いECがあるとしても、何かしらのニッチな隙間はあると思う。そして、その隙間に入って、そこで強くなる。当たり前だけど、大事だなあと、honto.jpから思いました。

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ フィットビットはなぜアップルを上回れたのか? ウェアラブルの隠れた王者の戦略とは

12月 18th, 2015 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (【連載】世界ハイテク企業ウォッチ フィットビットはなぜアップルを上回れたのか? ウェアラブルの隠れた王者の戦略とは はコメントを受け付けていません)

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連載中の世界ハイテクウオッチにフィットビットの記事を寄稿させていただきました。

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
フィットビットはなぜアップルを上回れたのか? ウェアラブルの隠れた王者の戦略とは
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30543

青田買い

12月 15th, 2015 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (青田買い はコメントを受け付けていません)

先日ですが、とても良いお話をお伺いしました。

あるメーカーから、某内視鏡メーカーはすごい、という話です。

 で、何がすごいかといえば、その会社は、将来の医者の卵である、医学部の学生のころから、医学部生向けに内視鏡のセミナー・研修等をやるという。まず、学生のうちから、内視鏡に触れさせ、何ができるかを体験し、それを10年、20年続ければ、結局、そのメーカーを使い続けるしかないと。

これは、いわゆる囲い込み、あるいは、青田買いかもしれないけど、これはこれで理に適っていると思う。

 自分の比較的身近な話では、IPO系もこれに似ている。会社を設立して、産声を上げてから、数年、場合によっては、数十年かけて上場(IPO)するケースがある、確率的には魚の卵が成長魚になるくらいの低い確率。まあ、IPOは会社の「成人式」かもしれない。で、成人式の直前になって、うちのサービス使ってくださいといっても、普通手遅れの場合が多い。

 たとえ、低い確率でも、産声を上げた時から、将来の成人式のために恩を売って、売って売りまくる。これは内視鏡の医学部生の囲い込みと似ているかもしれない。ポイントは、青田買いしたからといって、すべての田んぼが実るわけではない。あくまでも、5年以上で回収を見込む腰を据えた投資だと思う。

そう考えてみると、腰を据えるというのは大事だと思う。そして、長いこと、腰を据えて打ち込んできた会社は強い、そんなことを思いました。

世界ハイテクウオッチ ユニコーン企業とは?

11月 14th, 2015 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (世界ハイテクウオッチ ユニコーン企業とは? はコメントを受け付けていません)

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連載中の世界ハイテクウオッチにユニコーン企業の記事を寄稿させていただきました。

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
ユニコーン企業とは何か?Uber、Airbnbなど評価額ランキング30社にみる高評価の理由
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30329

児島虎次郎という「中の人」

9月 20th, 2015 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (児島虎次郎という「中の人」 はコメントを受け付けていません)

 シルバーウィークは岡山・倉敷にいきました。そして、とても印象に残ったのが倉敷です。倉敷は、その昔、出張でいったことがあるけど、市内をちゃんと見るのがはじめてで、明治・大正の佇まいを残す美観地域のすばらしさは固よりたくさんの発見がありました。

 とくに、印象に残ったのが大原美術館です。大原美術館は、いまのクラレの創始者でもある大原孫三郎のコレクションが展示してある美術館。この美術館の何がすごいかというと、自分の理解では、フランスの印象派のコレクションは多分日本一で世界的にもトップクラスのレベルだと思う。

 で、なぜ、倉敷の美術館が印象派のコレクションを集めることができたか?それは、大原孫三郎の盟友児島虎次郎によるところがおおきい。東京芸大を2年スキップするほど優秀な成績で修了した児島は、大原の支援をえて、20世紀のはじめにフランスに留学。そこで、当時、まだそこまで有名ではなかったモネなどといったフランスの印象派の画家と積極的に交流し、そのなかで、絵を買い付けたという。いわば、彼は印象派の「中の人」といえるかもしれない。

 そして、「中の人」だからこそ、モネ、ルノワール、ゴーギャン、ピカソ、さらには、500年前の「印象派」ともいえるエル・グレコの受胎告知といった「日本にあるのが奇跡」と言わしめるほどの世界的なコレクションになったと。

 ちなみに、これは、ベンチャーキャピタルあるいは投資ビジネス全般に言える話で、「中の人」になることはとても重要。「中の人」でとれる情報、案件が全然違うと思う。自分はVCにいたことはないけど、彼らが口をそろえて人脈が大事というのは、この「中の人」にあると自分では思っています。かくして、大原美術館は、児島虎次郎という「中の人」の努力によってはじめて成立した奇跡といえるかもしれない。

 もう一つの発見は、印象派とキュビスムは連続性があるということ。自分の理解では、印象派はデータサイエンスでいうところの「主成分分析」、すなわち、現実に見えているものをそのまま絵にするのではなく、空の青、池の水といった重要なパラメータだけを抽出することで、より世界を色濃く表現する。そして、そのパラメータを抽出するというアプローチをさらにシェープしたのがキュビズムと自分は理解しました。

 ちなみに、この話はイヤホンガイドではじめて知りました。こういう情報があるのとないのとでは全然理解が違うなあとおもいました。そして、次はオルセーに行きたいなあとおもいました。先達はあらまほしけれですね。

ohara

オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ

9月 3rd, 2015 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (オークランドの中心でアジャイルを叫ぶ はコメントを受け付けていません)

 9月第1週は夏休みをいただいてニュージーランドを旅しました。ATAMAIワインの小山さんとの出会い、一日一組限定のThe Sounds Retreat のすばらしいおもてなし、など、すばらしい経験をすることができました。ありがとうございました。感謝です。

 NZ,最後の夜はDepotです。 Aucklandのど真ん中にあるレストランで、 AucklandでもいつもTop10に入るレストラン。味、サービス、まったくもって申し分ありません、惚れ惚れするすばらしいレストランです。

 最初に訪問した2年前にも思ったのですが、このレストラン、わりと自分の経営の理想形があるように思います。このレストランの収容人数はだいたい120名くらい(ま、いつも並んでいますが)。一方、スタッフは10名以下。あたりまえだけど、一人が焼き方専門、野菜専門、ウェイター専門とやっていたら、全然、回らない。だから、このレストランは、あるスタッフが、貝をさばきながらも、焼き方に人が足りないとあれば、焼き方を担当。一人で複数の役割を受け持つ。スタッフのキビキビした動作が心地よく、見ているだけでもこのレストランに行く価値があります。

 で、1年くらい前になりますが、アジャイル開発の本を書きました。簡単に言えば、アジャイル開発はシステム開発の方法論で、ひとりがプログラミング、設計、テストなど複数の役割を担うことで、アジャイル(迅速)にシステムを仕上げる。このレストラン、アジャイルそのものだと思います。

 そして、このアジャイルを成立させるためには、1.仕組み(メニューはできるだけシンプル、複雑なことはしない)、2.優秀なスタッフ、に尽きると思います。経営もこれと同じだなあと。 Aucklandにお立ち寄りの際は、ぜひ、立ち寄ってみてください。

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http://www.eatatdepot.co.nz/