連載中の世界ハイテクウオッチにユニコーン企業の記事を寄稿させていただきました。
【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
ユニコーン企業とは何か?Uber、Airbnbなど評価額ランキング30社にみる高評価の理由
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30329
連載中の世界ハイテクウオッチにユニコーン企業の記事を寄稿させていただきました。
【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
ユニコーン企業とは何か?Uber、Airbnbなど評価額ランキング30社にみる高評価の理由
http://www.sbbit.jp/article/cont1/30329
ワークスアプリが15年に新卒を1000人採用するという、すごい決断だなあと思い、いろいろ考えるところがありました。
かりに、給料ならびに会社負担法定福利費をあわせて一人当たり月額30万とすれば、1000名採用で月額3億円、年間で36億円、かなりの負担と思われます。
自分の経験からすると、人を雇うのは難しくないけど、人材を活用することは難しい。で、難しいもっとも大きな要素はコミュニケーションコストが増えること。たとえば、一人の上司がいままで5人の部下を見ているところが、突然、大量新卒採用で一気に30人になると、おそらく、その上司は一気に5人から30人相手にしなくてはならず、そのためのコミュニケーションに関わるコストが一気に増える。
このコミュニケーションコストで、自分が遭遇するのはシステム開発の現場。システム開発も、基本は人を投入するビジネスで、協力会社から人を投入すればするほど効率が上がると思いがちだけど、人を投入すると、コミュニケーションコストが増えて、プロジェクトマネジャーが把握できなくなるケースがそれなりにある。
で、どうするか?たぶん、二つのアプローチがあると思う。一つは、少数精鋭で頑張るアプローチ。いわゆる、リーン開発といわれる分野で、一人が開発、テスト、企画など複数の役割を担うアプローチ。人をたくさん投入してコミュニケーションコストを上げるよりも、一人にたくさんの仕事をさせる。これは良さげにみえるけど、難しいのは、一人で何役もできる人は、世の中にそれほどいないこと、でも、そうしたデキる人材が何人かいればまわるアプローチ、自分の理想もこれです。
もう一つは、マニュアル化。フランチャイズのアプローチがこれで、うまくいくエッセンスを抽出して、これを徹底的にマニュアル化する。そして、そのマニュアルに従って、オペレーションをする。売上を拡大するという点では、このアプローチは結構有効だと思う。
で、リーンとフランチャイズどっちがいいか?
これはどちらかがいいとはいえない。結局のところ、”仕組みを作ってレバレッジを利かす”という点ではフランチャイズのアプローチは優れているし、”人を活かす”という点ではリーンの方が優れている。
思うのは、これを両方うまくできる会社が世の中に存在すること。仕組みを上手くつくりながらも、一人何役もできる人材がたくさんいる、こういう会社は強い、こういう会社を作りたいなあと思ったのでした。
連載中の世界ハイテク企業ウオッチにゴープロの記事を寄稿させていただきました。
【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
カメラを“再発明”したゴープロ(GoPro)はガジェットか?新しいプラットフォームか
http://www.sbbit.jp/article/cont1/29327
なるほど、と思った話。
先日、ひょんなことから、全然違う業種(商社)のマネジメントの方とお話する機会がありました。
彼曰く、左から右に商品を流す、いわゆる商社ビジネスはもはや通用しないという。だから、最近、強化しているのは、事業投資で、これだと思う会社に投資をして、自分たちのサプライチェーンに組み込む、これによって会社を大きくすると。
で、その投資先を選ぶ条件はバルク(大量生産)でないこと。バルクだと誰でも作ることができて、結局、価格勝負になってしまう。だから、バルクで作れないニッチ商品を作れる会社が絶対条件だと。で、ニッチの分野のシェアを上げることで競争力を強めると。
なるほどなあ、と思いました。とくに、ITの場合、難しいのは後者。基本デジタルなので、いくらでもコピーができる、で、コピーされると、結局、資本力がある大手が全部持っていってしまう。ということなので、難しいけど、バルクで作れないニッチに特化するのは重要だと思う(当たり前ですが)。
ニッチというと市場が狭いと言えるかもしれないけど、商社だったり、ビジネスパートナーとつながることで、いくらでも市場は大きくなると思う。あたりまえだけど、その当たり前をきっちりできること、実はこれが大事なんだなあと、帰りながら思ったのでした。
五木寛之「親鸞」を読んで、なるほどなあ、と思ったこと。
親鸞の師匠の法然は、浄土宗の開祖で、元は当時のエリートが集う比叡山延暦寺でも、その学識はずば抜けており、将来の天台座主を期待されていたという。
その彼が、万巻の経典を通じて、これだ、と発見したのが、阿弥陀仏。阿弥陀仏は、「この世に生きるあわれな者たちを決して見捨てないと誓われた仏」であり、南無阿弥陀仏と唱えることで、救われると。彼は、たくさんの仏の中から、阿弥陀仏を見つけたこと、これを選択(せんちゃく)といい、これが彼の再発見であったと。
これはビジネスに通じるものはあるかもしれない。彼が生きた時代に比べて、今は、とてつもなく、選ぶものが増えている。そして、そのなかで、これだと思うものを選択して、わかりやすく伝える。そういう意味では、南無阿弥陀仏は電話を再発明したスティーブ・ジョブズのiPhoneにも通じることがあるかもしれない。
仏教というと堅苦しいイメージがあるけど、この南無阿弥陀仏でちょっと身近に感じました。
連載中の世界ハイテク企業ウオッチにプライスラインの記事を寄稿させていただきました。
【連載】世界ハイテク企業ウォッチ
世界最大のインターネットテレビ企業、ネットフリックスに立ちはだかる試練
http://www.sbbit.jp/article/cont1/28897
最近、思うこと。
誰がいったか忘れたけど、”アイデアを熟成させる”ことはとても大事だと思う。
どんな素晴らしいアイデアでも時代が早すぎたり、あるいは、一緒にやるパートナーがいなかったり、とアイデアがすぐ実現するとは限らない。
だからこそ、熟成させる。そして、熟成させて、鬨の声、しかるべきタイミングを待つ。
そう考えると、アイデアの熟成はワインの熟成に似ているかもしれない。
五大シャトーのような高いポテンシャルをもつブドウ(高いポテンシャルをもつアイデア)は、熟成させればさせるほど価値が上がる。
一方で、ポテンシャルが高くないブドウは、熟成させるとかえって、風味が落ちることがある。
ワインの熟成は年月だけど、アイデアは、年月だけではなくて、コミュニケーションとかいろいろあると思う。
で、やっぱり、重要なのは、ポテンシャルがあろうがなかろうが熟成させる仕組みを作ること。自分もあまりできているとは思えないけど、思いついたこと思い付きで終わるのではなくて、書き留める、これも重要なのかなと。というわけで、アイデアをどんどん熟成させましょう。
最近、読んだ本の中で、とても勉強になりました。
企業でマネジメントに携わっている人、組織を作っている人にインプリケーションがあると思う。
で、自分が、なるほどなあ、と思ったのが、 グーグルの目標管理システムOKR(Objective and Key Result)。
OKRは、たとえば、こんな具合「ジュピター(プロジェクトのコードネーム)ではW個の新システムによって、X個の大規模サービスの大量トラフィックを処理し、稼働率Y%のときにレイテンシーZマイクロ秒以下を達成する。」(p302)
もともと、インテルのCEOアンディ・グローブが導入したMBO(Management By Objective)に近い話で、個人、チーム、会社で目標を決めて、それを達成すべく一体となる。
これに近いモノに予算とか事業計画とかがある。
自分の仕事の多くはこうした予算とか事業計画を作ることで、自分の理解では、それは、企業の地図みたいなものだと思う。つまり、予算、計画がないと今どこにいるかわからない。
ただ、問題は、予算とか事業計画に厳密であればあるほど、予算のための仕事、事業計画のための仕事と手段と目的が逆になってしまう。そして、行きつく先は、計画経済みたいにすべてトップダウンで決めた結果、現場が全く動かないことになってしまう。
ひるがえって、このOKR。トップダウンになりがちな予算、事業計画をボトムアップのアプローチで、自分たちが重要な分野で目標を設定するという点でよくできた仕組みだと思う。ただ、こういうのは、グーグルのような「スマートクリエイティブ」という一人一人の社員が尖っている会社だからこそできる仕組みかもしれない。
どう組織、ビジネスをつくっていくか、とても得るものがある本でした。
最近、おもうこと。
最近は、あらゆる分野でパーソナライズが進んでいる。
たとえば、グーグルでは、検索履歴から、自分が次に検索したいものを自分の嗜好にあわせて、提案してくれる(パーソナライズ)。
検索する本人にとっては、「あ、これで検索しようとおもっていた」ということで、提案の精度が高ければ、良いことだ。
そう、デジタル化の進展でパーソナライズが進んでいるけど、世の中すべてがパーソナライズするのだろうか?
先日、そんなことを考えては、「まあ、そうかもね」と、もやもやしていた。
で、先日、元ミュージシャンで気の合う仲間と話していて、こんな問いをぶつけてみた。
「音楽をライブで聴くお客さんって、性別も違えば、年齢も違えば、趣味・嗜好も違う、そんななかでどうやってお客さんを満足させることができるの?」
彼は、こう答えた。
「お客さんに自分の思っていることを問いかけをして共感してもらう。そして、熱意を伝える。それで、会場が一体になる。たとえば、矢沢永吉のコンサートに一回行ったら確実に共感できる。ビジネスとしたら、次の日、熱意が冷めやらぬうちにファンクラブの勧誘をするのがよい。」
なるほどなあと思った。
パーソナライズというのは、言ってみれば、”お客様第一主義”的な発想だと思う、すなわち、ユーザのことを考えて、ユーザが心地良いものを提供する。
そして、その対極にあるのが、このライブ。アーチストが”熱意”を伝えて、その熱意に観客が惹きこまれる。
たぶん、このライブは、”体験”ともいえると思う。
かつて、スティーブ・ジョブズは、自分の世界観がグレートだと信じて、シンプルな自分の世界観をiMac,iPhoneなどのプロダクトに託した。そのプロダクトには、彼の世界観しか投入されていないので、余計なことは何もできない、伝記によれば、彼はApp Storeさえも最初は反対したとか。そのおかげでセキュリティは保てる。それは置いといて、アップル製品が魅力的なのは、スティーブ・ジョブズの洗練された”体験”をユーザが追体験できるからだと思う。
この”体験”はパーソナライズというよりは、むしろ、”オレの世界観を味わってくれ”といったトップダウンではないと面白くない。ビジネスでよくあるのは、色々な人の話を聞いて、それを反映した結果、”妥協の産物”っぽくなってつまらない製品・サービスになってしまうというのは枚挙にいとまがない。
というわけで、結論。
たしかに、パーソナライズというのはいろいろ便利だし、これからもパーソナライズは増えると思う。
でも、全部がパーソナライズされるわけではない。
むしろ、パーソナライズ化が進んだ結果、”オレノ世界観を味わってくれ”という経験の方が新鮮というケースもあるし、こういうサービスももっと増えてもいいと思う。
そう、やっぱり、パーソナライズ万能ではなく、経験も重要ってことです。
レビュープラスさんから献本いただきました。ありがとうございます。
本気で変わりたい場合、どうするか?
筆者は、それを「欲望」と説く。
そして、欲望とは、
「欲望=頭の声、体の声、心の声」(p32)
という。そして、毎日の生活の中で、こうした声を聞くことが重要と言う。
その欲望がどう行動を変えるか、それが、
「欲望」からスタートして作られた「ビジョン」(p53)
という。
すなわち、最初は自分のための欲望からスタートしても、それがやがて世の中のためになる「ビジョン」に成長すると。
あなたの「欲望」の半歩先には必ず「善きビジョン」がある(p62)
そして、どう欲望とビジョンを行動におこすか、筆者は、50秒セルフトークとそのあとの10秒の行動こそが大事と説く。
すなわち、自分に言い聞かせて、行動を起こすと。
たしか、渋沢栄一だったと思うけど、彼は寝る前に毎日今日起きたことを反省したという。
そして、反省を活かして、つぎに活かす、これを繰り返していたので、「日本資本主義の父」たる存在になったと。
というわけで、この行動イノベーションも自分を振り返って、アクションにつなげる、有効な手段だと思ったのでした。