レビュープラスさんから献本いただきました。ありがとうございます。
25年間、放送作家を続けてきた筆者にとって、成功のコツはタイトルとおり。企画は、一言、という。
たしかに、自分もいろいろな企画をすることがあるけど、うまくいく企画はやはり一言で説明できる。
なぜ、一言が重要なのか?
おそらく、筆者の以下の指摘が的を得ていると思う。
どんなにすばらしいアイデアも、周りに理解されなければ通りませんし、そもそも実現しなければヒットすることもありません。
このように、「ひと言」でいえる企画は、そのひと言だけで「中身がみえる」。(p33)
つまり、ひと言でわかるということは、中身が見える、そして、中身が見えるから、「ああ、そうなんだ」とみんなが納得する。逆に、中身が見えないのであれば、「何をやりたいのかわからない」、「難しい」となってしまう。
では、どうやって、ひと言でいえる企画をつくるか?
筆者は、100%新しい企画では通らない、むしろ、ベタ(定番)から始めよと指摘する。
10年前に流行ったベタな企画を温故知新ということで復活させる、あるいは、ベタにプラスアルファの組み合わせによって、新しい企画は生まれると。
そして、組み合わせについてはこう指摘する。
「意外なものを組み合わせること」がヒットのツボ。
つまり、これまで誰もひとつにしようとしなかった「異質なもの」を足し算してみるのです。
「常識」をいったん取り払ってください。
絶対に合わないと思っていたものが予期せぬ化学反応を起こして、新しい付加価値を生むというのは、想像以上によくあることです(p138)
先日、上梓させていただきました恐竜本でも指摘しているように、新しいモノを生みだすのは、「非連続」の結合、そして、シュンペーターはこの非連続の結合をイノベーションと定義している。
逆説的だけど、新しいことをやろうとしたら、新しいことをやらずに、これまであるものとあるものを組み合わせる、それが結果として新しいものを生み出し、「一言」たるわかりやすいものになる。本書から学ぶところは多かったです。