先日、飲み会の席でなるほどなあ、と思ったこと。
以前、たしか、秋元康氏が”一番よくないのは予定調和、それを壊すのが自分の役目”というようなことを指摘していて、その時は、正直あまりピンとこなかった。
で、その飲み会で、こういうことだったのか、と腑に落ちた。
話によると、現在のF1レースは、かつての、セナ・プロストがいた時代にくらべて”予定調和”らしい。
技術が発達して、ドライバーがいくら頑張っても、技術にアドバンテージがあるチームが勝つ。すなわち、”予定調和”であると。
だから、彼曰く、”最近のF1はつまらない”と。
たしかに、スポーツの世界では、予定調和はつまらない。
たとえば、相撲では、横綱は自身のプライドにかけて負けることが許されない。でも、ときには、予定調和を乱して、平幕の力士が横綱をうっちゃり、金星を挙げることもある。
あるいは、競馬では、先週のオークスでは、ハープスターが確実に勝つといわれながらも、あまり注目されていなかったヌーヴォレコルトが優勝したのは、”予定調和”を壊す良い例だと思う。
そして、思ったのは、この予定調和は企業の組織にも当てはまるかもしれない。
大企業もしくは官庁の場合、最近は少なくなったけど、学歴とか成績順で出世コースを決めるケースがある。
そして、その出世コースのなかで、よほどの失敗をしないかぎり、”予定調和”的にそのポストに辿り着ける。
もともと、旧海軍・陸軍士官学校では、卒業時の成績で出世コースが決まっていたこともあり、その風習が残っているのかもしれない。
ただし、この”予定調和”のよくないところは、やっぱり、組織が硬直してしまうこと。相撲の例であれば、予定調和であれば、平幕力士は永遠に横綱に勝てない。
だからこそ、予定調和を壊すこと、これは組織を活性化する上でとても重要だし、その予定調和を壊すことが経営者のリーダーシップとも言えるかもしれない。組織が上手く動かないと思ったら、予定調和を壊す、これが組織を活性化する一つの取り組みですね。