最近思うこと、以前は、”下請け”というと、お客さんから言われたことをやっている”業者”だと思っていたけど、最近、思いを変えるようになりました。
もちろん、下請けの定義は、たとえば、システム開発企業であれば、案件を持っている元請けからプログラミング、テストなどの業務の一部を受注し、それをこなす。日本のシステム開発企業の場合、建設のゼネコンのように、一次受けが注文を受けて、それを、2次受け、さらには、3次受け(4次受けはあるのだろうけど、自分の感覚ではあまりない)まで、すそ野を広げる。
いうまでもなく、こうした構造のなかで、一番偉いのは”元請け”(通称、プライムコンダクター)、直接、お客さんと話して、予算などを”握る”、大規模システム開発でいえば、富士通、日立、NEC、NTTデータ、IBMがビック5と言われ、メガバンクなど規模が大きいシステム開発案件のプライムコンダクターとなるのが一般的だ。
それで、プライムコンダクターにぶら下がる2次受け、もしくは、3次受けの”業者”は単なる”下請け”なのか。
自分の理解では、たかが下請け、されど、下請け、なんだと思う。
結局のところ、下請けのビジネスモデルは、元請の要求する仕様に従って、設計・開発・テストする、いってみれば、”受け身”のビジネスともいえる。
ただ、常に”受け身”でいいかといえば、そうでもない。
たとえば、通信、5年くらい前であれば、携帯電話の組込ソフトウェア開発が盛んで、こぞって、下請け会社は、携帯電話会社からのシステム開発会社からの案件を受注した。でも、それから5年、時代はスマートフォンになっていて、アプリ開発などはあるものの、携帯会社にあわえて組込ソフトウェアを開発する需要は劇的に減った。
すなわち、ずっと組込ソフトウェアの受託開発を”受け身”でやっていれば、あっという間にビジネスが先細りしてしまう、だから、”下請け会社”のビジネスモデルは、機を見るに敏たるべく、これから開発が増えそうな分野にシフトする、すなわち、”受け身”でありながらも、積極性が求められるビジネスともいえると思う。
証券アナリストをやっていたとき、いくつかの上場している”下請け”会社をカバーしていて、そのとき、とくに海外投資家からは、”下請けは価値をうまない”といわれて相手にされないことも多かったけど、最近思うこと、それは、たとえ、”下請け”であっても、ビジネスの変化に合わせなければいけないこと、そして、その”変化への対応”が経営の力だと思います。