2018年から読書メーターで読んだ本を記録して、今年の5冊を紹介するのが習慣になっています。で、2022年は94冊でした、ここ5年間ほぼ同じペースです。たぶん、生活スタイルがあまり変わらないので、読むペースもあまり変わらないのだと思います。
ただ、このスタイルは、変わらないようでも、最近は若干変わってきました、やはり、電子書籍ですね、ここ2年くらい読み放題のKindle Unlimitedを購読していて、最近はラインナップがかなり充実してきました。それでKindle経由は増えてきましたが、Kindle Unlimitedの場合、本を借りて返す図書館スタイルなので、電子なのに記憶が残らないというデメリットもあり、この辺は割り切りなのかもしれないです。
その一方で、紙の本は減っていますよね、感覚的には本屋がどんどん減っている気がします。前は待ち合わせとかのとき、ちょっと早めについて本屋で立ち読みみたいなことが好きでしたが、いまはほとんどないですよね、まあ、スマホに置き換えられた感じでしょうか。それはそれで仕方ないかもしれないですが、最近はふらっと立ち読みがない分、偶然の出会いというか、面白い本を見つけるハードルもあがっている気がします、もしかしたら、紙でなくてデジタルでその努力をしたほうがよいかもです。そんな過渡期ではありますが、今年の5冊はこれです。
敗北からの芸人論 ― 知り合いの芸人を書くだけ、以上です。ただ、その目線が優しいです。それは、ダウンタウンには勝てない、相方であるノブシコブシ吉村には勝てない、というノブシコブシ徳井の「敗北」があるからこそ、優しくなれると思いました。
豪商の金融史 ― サブタイトルは「廣岡家文書から解き明かす金融イノベーション」、廣岡家は、朝ドラ「あさが来た」のモデルの廣岡浅子で、近年、江戸・明治時代の文書の解読が進みました。江戸時代、廣岡家は、中津藩に大名貸しをしていたそうですが、貸し倒れを防ぐべく事業計画の策定など今の企業再生コンサルのようなことをしていたようです。江戸時代というと近いように思えるけど、まだまだ解明されていないことがたくさんありますね。
危機の外交 ― コロナで惜しまれつつもお亡くなりになられた岡本行夫氏の自伝、海部政権の湾岸戦争での失敗、沖縄の基地移転問題など当事者目線で、そうだったのかと思わせることが多いです。
DIE WITH ZERO – 以前に紹介した本ですが、今年一番影響を受けました。おカネを貯めるだけではなくて体験に使う、アリとキリギリスの中間、ややキリギリス寄りの発想で、目から鱗でした。
複眼の映像 私と黒澤明 ― 著者の橋本氏は黒澤明の「羅生門」、「七人の侍」といった初期作品にシナリオライターとして参加。黒澤明というと世界的に有名な映画監督であるものの、何がスゴイかいままでイマイチわかりませんでした。で、これを読むと納得、初期作品は、ライター先行型で、複数のシナリオライターが同じ脚本を書いて、その中からよいものを採用するという機械学習でいうアンサンブル学習的なスタイル。そこから「いきなり決定稿」として、こうした共同の要素を排した結果、「影武者」、「乱」などストーリーに奥行がなくなってしまったと。だけど、ほぼ最後の「夢」では終わり良ければ総て良しで、黒澤明らしさが戻ると。