さて、今日の日経新聞でコーポレートガバナンスの強化で社外取締役が1000人不足するという記事がありました。まあ、自分もかつては上場企業の代表取締役社長を務めたこともあり、かつ、社外取締役の経験もあるので、いろいろ思うところがありました。
やはり、なぜ社外取締役が必要かといえばチェックの機能なんだと思います。当たり前ですが、社長は自分がやりたいことをやりたいと思うわけで、かつ、社員は「まあ、社長が言ってるから仕方がないですね」という感じで、だいたい社長のやりたいことが通ります。
で、その社長のやりたいことが本当に会社にとってよいことか、社会にとってよいことか、何とも言えないところがあります。たとえば、特定のケースではないですが、トップの発信した内容が、社内のチェックなしにホームページで公開されて、炎上するなんてありますよね。という点で、やはり、チェックは必要なんだと思います。
こないだ、ブックオフでたまたま見つけた本が川田順「住友回想記」です。川田順は、戦前の住友の学卒第一期生として住友に入社、歌人として活躍しながらも、経理畑を歩み、「住友に川田あり」と言われました。で、彼はその住友の回想記で、住友の課長が大枚をはたいて茶碗を購入したものの、大番頭が手厳しく諫言します。で、その厳しさっぷりに住友夫人は見かねてそしるも、住友家を守るため夫人を座敷牢に押し込めたと。
まあ、今ではここまでやるとパワハラではありますが、社外取締役に通じる話ではありますよね。社長にとって自分のやりたいことをやることは大事ですが、それをチェックして、ダメならダメと諌めること、こうした胆力が社外取締役に試されると。まあ、自分の胸に手を当てると、甘やかしてしまったなあと後悔しきりです汗
というわけで、社外取締役の話、専門性とか経験とか関係なく、いい意味で空気を読まず、ズケズケとモノを言う、こうした胆力がある人を見出して、お願いする、こういうのはありかなと思いました。