もう10年以上前のことです、当時は大学で研究生活をしていましたが、、そこから大きくキャリアを変えて証券会社にアナリストとして就職しました。
当時は、ITサービス担当として、ネットワーク機器の動向・技術は何となく理解していましたが、そうした動向・技術がどう売上、利益といった財務諸表として反映されるのか、よくわかりませんでした。
まあ、わからないなりに、自分の勘で売上高、純利益、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの将来の予測モデルを作ったのですが、そのモデルについて、上司をはじめとして、エラク突っ込まれました。たとえば、売上の伸び率よりも粗利の伸び率が高いのはおかしいのではないかなどです。
当時は無我夢中だったので、ちゃんと正しいことを証明しなくてはと、近視的にとらえて、それをどうやって説明しようか必死でしたが、今思えば、これは「別の視点」なんだなと思いました。で、最近思うのは、「別の視点」です。「別の視点」は、自分の見えない視点を別の視点で教えてもらう、それによって、また違った見方があるのだと。
この「別の視点」で、本当に素晴らしかったのが、「銀河鉄道の父」です。銀河鉄道は、言わずと知れた宮沢賢治です。まあ、自分はいろいろ彼の著作、評伝いろいろふれたのですが、そこからイマイチつかみどころがありませんでした。なぜ、宮沢賢治は童話を書いて、イーハトーブのような世界観を残したのだろうと。
「銀河鉄道の父」の主人公は、宮沢賢治の父、宮沢政次郎の物語です、彼が父から質屋を継ぎ、岩手花巻で質屋を繁盛させ、満を持して、長男賢治にバトルタッチしようとするも、賢治は全くもって質屋に向いていません。で、父親は葛藤するものの、最後は賢治のやりたいことを応援します。それは、童話を書いて、イーハトーブを我々が受け入れる過程のような気がします。
閑話休題、「別の視点」、宮沢賢治だけの視点ではわからないこともあります、むしろ、父という「別の視点」からより宮沢賢治が鮮明に浮かび上がりました。まあ、最初の予測モデルも同じですね、「別の視点」を入れることで、鮮明に浮かび上がることがあると。何が「別の視点」かはいろいろ定義はありますが、「別の視点」を受け容れる、これは大事なことと思いました。