システム化の功罪

2月 19th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー

システム化の功罪
言うまでもなく、システムは便利だ。

たとえば、夜中にふと思い立って、amazon.comでクリックすると、昼にはモノが届いたりする、これはシステム化の”功”に他ならない。

企業も同じで、システムのない企業体はいまでは珍しい。たとえば、企業の血であるお金の管理は、昔、紙の帳簿に記入して総勘定元帳をつくっていたけど、今時、紙の帳簿で総勘定元帳を作る会社は少ないと思う。大きな企業であれば、生産・販売システムと連動したERP、小さな企業でも弥生のような会計ソフトを導入しているケースがほとんどだろう。いうまでもなく、会計ソフトの導入の理由は、便利だから。紙の帳簿では、月次の試算、期末決算など集計すると、とんでもない時間がかかる、一方、システムはデジタルなので、こうした集計はお手のものだ。あっという間に、ルールに則って、月次・期末の試算もやってくれる。これによって、企業の決算集計が速くなる、これもシステム化の”功”と言える。

 でも、このシステム化の”功”は、”罪”の裏返しともいえる。極端な話、紙の帳簿を続ける場合は、やはり、その作業に携わる人が必要になる。そして、そうした人は、長い間、その作業に従事していて、ある日、”紙の帳簿はなくなり、明日からシステムになります”となると、その人の仕事がなくなってしまう。オフィスをシステムでオートメーション(自動化)すればするほど、人の仕事がなくっていく。合理的に考えれば、OA化は”是”だけど、とくに地方の場合は、安定した雇用を提供することが企業にとって重要だったりすることなので、無碍に仕事がなくなったからといって、解雇というわけにはいかない。

 では、どうすべきか?やっぱり、システムで合理化できる部分は合理化するしかない。システム合理化によって余剰となった人材をどうするか、このリソース配分がマネジメントなんだと思う。何が正解というのはない、だけど、持っているノウハウを別の部署に展開する、あるいは、新しい部署を立ち上げるなど。これはしんどい。でも、しんどいことをやらないと、生きる糧が見つからない。ITは便利だけど、コンピュータが自分で意思決定してくれるわけではない、だからこそ、人間のリソース配分・意思決定がますます重要になってくる、と思うわけです。

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