日経新聞のカルロス・ゴーン氏の私の履歴書を読んでいて、共感するところがありました。
彼がルノーあるいは日産において、不振の要因が縦割りの組織にあると感じ、「会議では自己主張や実りのない議論が多く、何も決まらない。何か起きれば、言い訳が先行する」状態だったと。そして、これを変えるべくクロスファンクショナルチームをつくる。それによって、部門壁を壊し、風通しを良くして一緒に問題の解決にあたる状況をつくると。
自分は製造業の経験はないけど、IT企業においても、これがズバリ当てはまる。IT企業の場合の多くは開発と営業の厚い壁があるケースが多い。開発は、”営業がムリな案件とってきた、仕様がムチャクチャ”と営業の詰る。一方で、営業は、”開発が遅い、バグが多い”と開発のせいにしがち。自分の経験上、開発と営業の溝が深いほど、企業の業績は落ちる、逆に、開発と営業との距離が近いほど、業績は総じて手堅い。
で、この溝を解決するには、一つしかない。それは、マネジメントによるハンズオン・介入。開発はいつも営業が悪いというけど、たまには営業が正しいこともある、逆もしかり。だからこそ、マネジメントが場を作って、しっかりと受け止めて、フェアに判断する、そして、仕組みを作る。ま、一言でいえば、リーダーシップですね。
「一方聞いて沙汰するな」、もうだいぶ時間がたってしまいましたが、大河ドラマ篤姫の主人公が常に心がけたことです。やっぱり、開発の話を聞いて沙汰するのではなく、開発と営業、両方の言い分をきちんと聞いて沙汰する。翻って、ゴーン氏はこうした判断能力が卓越していると思う、で、自分もまだまだだけど少しで近づければなあと思ったのでした。