ベイズ統計について、9月24日セミナーを実施します。
大谷選手がMLBのオールスターで先発投手部門、そして、指名打者部門の2つで選出されたというニュースをみました。これはメジャー史上初という快挙でスゴいことだと思います。自分は野球についてそれほど詳しくはないのですが、指名打者でもホームランで結果を出し、投手でも結果を出す、両方とも結果を出そうと血の滲むような努力をしているのだと想像します。
一方で、「二兎を追う者は一兎をも得ず」という諺もありますよね、欲張って2頭のウサギを狙うものは、結局、中途半端になってしまって、1頭のウサギも獲ることができないと。野球に例えれば、投手としてのキャリア、指名打者としてのキャリア、両方、欲張って狙うと結局、中途半端になると、まあ、いまの大谷選手はいい意味で二兎を追っているように思います。
さて、ビジネス、とくにテクノロジー分野の場合、二兎を追うケースはありますよね。まず、最初のウサギは、新規分野の開拓、斬新な製品・サービス、いわゆる、破壊的イノベーションです。そして、二匹目のウサギは、既存分野の既存分野のシェア・売上拡大、持続的イノベーションでしょうか。どの会社も、新規に新しい製品・サービスを出しながら、既存の製品・サービスも伸ばしたい、二兎を追う宿命にあるのかもしれません。
こうした二兎を追いながら、大谷選手のようにキチンと結果を出す企業もあれば、結局新規はダメで既存に頼る、中途半端になる企業もありますよね。前者だと、「両利きの経営」(Doing Both)のシスコ、あるいは、アマゾン、グーグルあたりでしょうか。で、自分の理解では、二兎を追いながら結果を出す企業と中途半端になる企業、その差は「意思」さらには「執念」にあるのではないかと思います。
かつて、松下幸之助翁は、外部の諸事情がどう変わろうと耐えられるダムのように設備、資金、人材に余裕を持たせるといういわゆるダム経営が重要であると講演しました。そして、中手企業経営者が「どうやってダム経営ができるか?教えてほしい」、という質問に対して、「ダムをつくろうと強く思わんといかんですなぁ。願い念じることが大事ですわ」と答え、ほとんどの経営者が失笑するなかで、その場にいた京セラ創業者稲盛和夫氏は「強く願うことで思いがかなう」と衝撃を受けたそうです。これも「意思」ですよね。
大谷選手の二刀流、両利き経営、自分の思いはもっと二兎を追っていいのではないかと思います。副業なんかもそうですよね。会社員は一つの仕事を集中すべしというのも一つの考え方でしょうが、「意思」をもって、二刀流、両利きを追う、副業もそうあってもよいと思います。というわけで、大谷選手のオールスターの二刀流、楽しみにしています!