もう2日前の記事ですが、ヤフーの「「お金は社会に還元して死ぬ」――「暴走族」安藤忠雄79歳、規格外の人生」が素晴らしかったのでシェアします。
自分も経営者インタビューが好きで、これまで幾度とインタビューをしてきましたが、そのなかで、良いインタビューとは、そのインタビューから、自分ごととしていろいろな気づきが得られるインタビューと思っています。とくに、経営者インタビューの場合、「ウチの会社は」みたいな話に終始するケースもそれなりにあるので、素材と味付のバランス、それは料理人に近いかもしれないです。いずれにしてもインタビューアーの「引き出す力」が問われると。
さてインタビュー、安藤忠雄氏を存分に「引き出して」います。で、たしかに、お金は社会に還元して死ぬも大事かもしれないですが、自分はそれは別の気づきをいただきました。それは、最初の点と次の点がつながったことです。
最初の点は、「安藤忠雄の家は住み手に覚悟がいる家」という点。たとえば、彼が設計した住吉の長屋、「三軒長屋の真ん中の1軒を切り取り、鉄筋コンクリート造りのコートハウスに置き換えた住宅。住宅中央の中庭には屋根がなく、例えば雨の日、寝室から台所へ移動しようと思ったら傘がいる」という。
次の点は、彼の将来へのメッセージ。「今の問題は『過保護』です。子ども中心の核家族で、子どもの言いなりじゃないですか。その子が大きくなった時、たくましく育った世界の人たちと対抗できますか。壁を乗り越える心の強さ、知的体力を鍛えなきゃいけない」
最初の点と次の点、この点と点をつなぐ線は、次の世代に「考える力をつけるべし」と理解しました。たしかに、住吉の長屋は住み手に覚悟がいるかもしれません、ただ、そのなかで、設計者のコンセプトを理解して、どうしたら快適に住めるかを「考える」、これは壁を乗り越える心の強さ、知的体力を鍛えると同じと思いました。
で、自分たちにできること、やはり、「考える力をつける」、「知的体力を鍛える」ことなのかと。住みにくい家を提供する強さが必要なのかもしれないですね。