大学の意味は?

8月 23rd, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (大学の意味は? はコメントを受け付けていません)

 自分のこれまでを振り返ってみて、大学・アカデミックにいた期間が多かったです。たしか、社会人デビューが27歳で、それまで大学・大学院・ポスドクをしていました、学部からあわせると大学在籍は10年ちょいですね。今、振り返って、それは自分にとっては素晴らしい時間でした。

 さて、このニュース「Google Has a Plan to Disrupt the College Degree」(グーグルは大学の学位を破壊する計画がある)、いろいろ示唆があるように思いました。英語ですが、ザックリ要約すると、グーグルは、6か月のトレーニングを受けて、合格した人にグーグルキャリア認定を授与、そして、その認定があれば、グーグルでは、4年間の大学に在籍したものと同じとして扱うとのこと。

 まあ、早い話、中学生・高校生でも6か月でこの認定をゲットして、グーグルから認められれば、グーグルとしては大卒相当とみなすようです。となると、義務教育+高校は置いておくとして、大学さらには大学院に通う意味って何だろうと?とくに、昨今のコロナ禍のなか、大学もキャンパスに物理的に通うことなく、オンラインが主流のようで、わざわざ、大学・大学院にいく意味は何だろうと?

 自分の理解では、大学・大学院は価値があると思っています。で、その価値で大事なのは、「裾野」なのではないかと思います。静岡県出身者としては、裾野は、富士山のようなもので、富士山は日本一の高さですが、裾野は静岡県・山梨県と広く渡っています。そして、この裾野の広さは、かつてニュージーランドに旅した際に強く感じました。

 ニュージーランドの人口は500万人ちょっと、日本でいえば東京都(1275万人)の半分くらいです。が、ラグビーになると、ナショナルチームのオールブラックスは100年間を通じた勝率は8割近く、桁ちがいの強さです。この桁ちがいの強さは、「裾野」にあると思ってます。ニュージーランドのどこにいってもラグビー場があって、親がラグビーをやっていて、子供も当たり前のようにラグビーをする、オールブラックスは富士山の頂点ですが、その頂上を目指して全ニュージーランド国民がオールブラックスを目指します。で、そうした山を登る「裾野」のなからキラリと光る選手がオールブラックスに選ばれるという理解です。

 閑話休題、、大学も「裾野」が大事だと思います。大学は、文学、経済、科学、工学などなど、沢山の分野があり、こうした専攻は時代によって変わるかもしれませんが、そのエリアで活躍したい人を増やす、こうした裾野を広げることが大事なのではないでしょうか。自分がやりたいと思う道をとことん追求する、10年かかるかわかりませんが、自分にとっては価値があり、それが今につながっていることは間違いありません。とくに、コロナ禍で、6か月プログラムをうければ就職できるといった短絡的な話も増えるかもしれません、でも、長期的に裾野を増やす、これが大事と思います、自分としても何かしらのサポートできればと思います。

マッテローヨ シンガポール

8月 16th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (マッテローヨ シンガポール はコメントを受け付けていません)

「振り向くな、振り向くな、後ろには夢がない」とは、かの寺山修司のハイセイコーの歌ですが、それとは裏腹に振り向きたいときもあります。とくに、このコロナ禍、海外にいくことができず、だからこそ、海外に思いをはせることは大事ではないかと思うのです。

 前回はベトナムを紹介しましたが、今回はシンガポールです。自分の理解では、シンガポールを一言で表すと、明るい北朝鮮です、現地の方もそういわれるので、それほど外れてないかと。ベトナムのホーチミンがベトナムをフランス・米国から独立を勝ち得たように、独立を勝ち取った建国の父リークアンユーが良い意味で彼の考え方が残る国だと思います。

 で、この明るい北朝鮮の良い意味は、シンガポールという小さな国を発展するために、人造的、政策面であらゆる努力をすることです。それは、アジアのハブであるシンガポールのチャンギ空港、ここのトランジットは快適そのものです。あるいは、東南アジアの金融の拠点もシンガポール・香港ですよね、その昔、アナリストのとき、海外出張の際は、かならずシンガポール・香港で機関投資家を訪問していました、香港は今後どうなるかわかりませんが。やはり、ヒト、モノ、カネ、こうした場(プラットフォーム)を良い意味で人造的に作り出したのがシンガポールなのではないかと。

 現状のコロナ禍による移動制限で、こうした物理的なプラットフォームは、縮小せざるを得ない気がします。ただ、すべて、Zoomとかオンラインで完結するかといえば、そうでもないかもしれないですよね、同じモノを売るという場合であれば、オンラインと対面、人間の心情として、対面の方が良い場合もあるかと。

 まあ、ヒト、モノ、カネをリアルで集めることがなかなか難しいところもあるでしょうが、それを差し置いても、今後も物理的・論理的にもシンガポールを通らなくてはいけないモノ・コトがたくさんあるように思います。なので、いつの日かまたシンガポールを訪問したいと思います!マッテローヨ!シンガポール!

視点を変えること

8月 13th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (視点を変えること はコメントを受け付けていません)

 もう10年以上前のことです、当時は大学で研究生活をしていましたが、、そこから大きくキャリアを変えて証券会社にアナリストとして就職しました。

 当時は、ITサービス担当として、ネットワーク機器の動向・技術は何となく理解していましたが、そうした動向・技術がどう売上、利益といった財務諸表として反映されるのか、よくわかりませんでした。

 まあ、わからないなりに、自分の勘で売上高、純利益、貸借対照表、キャッシュフロー計算書などの将来の予測モデルを作ったのですが、そのモデルについて、上司をはじめとして、エラク突っ込まれました。たとえば、売上の伸び率よりも粗利の伸び率が高いのはおかしいのではないかなどです。

 当時は無我夢中だったので、ちゃんと正しいことを証明しなくてはと、近視的にとらえて、それをどうやって説明しようか必死でしたが、今思えば、これは「別の視点」なんだなと思いました。で、最近思うのは、「別の視点」です。「別の視点」は、自分の見えない視点を別の視点で教えてもらう、それによって、また違った見方があるのだと。
 
 この「別の視点」で、本当に素晴らしかったのが、「銀河鉄道の父」です。銀河鉄道は、言わずと知れた宮沢賢治です。まあ、自分はいろいろ彼の著作、評伝いろいろふれたのですが、そこからイマイチつかみどころがありませんでした。なぜ、宮沢賢治は童話を書いて、イーハトーブのような世界観を残したのだろうと。

 「銀河鉄道の父」の主人公は、宮沢賢治の父、宮沢政次郎の物語です、彼が父から質屋を継ぎ、岩手花巻で質屋を繁盛させ、満を持して、長男賢治にバトルタッチしようとするも、賢治は全くもって質屋に向いていません。で、父親は葛藤するものの、最後は賢治のやりたいことを応援します。それは、童話を書いて、イーハトーブを我々が受け入れる過程のような気がします。

 閑話休題、「別の視点」、宮沢賢治だけの視点ではわからないこともあります、むしろ、父という「別の視点」からより宮沢賢治が鮮明に浮かび上がりました。まあ、最初の予測モデルも同じですね、「別の視点」を入れることで、鮮明に浮かび上がることがあると。何が「別の視点」かはいろいろ定義はありますが、「別の視点」を受け容れる、これは大事なことと思いました。