みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」

3月 20th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」 はコメントを受け付けていません)

システム開発界隈で話題になっている本、読みました。日経コンは、アナリスト時代にお世話になったり、知り合いの筆者の方がいらしたり、自分にとってやや近い存在かもしれないです。

 IT業界のサグラダファミリアと揶揄されたみずほ銀行の次世代勘定システム、35万人月、4000億円半ば、スカイツリー建築費の七本分というとてつもないリソースを投入して、2019年7月にようやく完了しました。たしか、10年くらい前、自分がアナリストのときも、みずほ次世代案件とかあったので長かったなあという気がします。

 なぜ19年もかかったのか、自分の理解では、最初の第一勧業銀行、興銀、富士銀の経営統合のときのボタンの掛け違いが大きいと思う。当時の3行のトップはシステムについて「現場で調整してくれ」という話で方向性はありませんでした。で、現場で調整すると「ウチのシステムの方が進んでる」、「いやいや、ウチのシステムの方が業務にあってる」など機能論に終始して、結論がでず、迷走。たらればですが、トップが「これでいく」とトップダウンの方向性があれば違った結末になったと思います。これはみずほだけではなく、いろいろなところにあてはまる教訓だと思います。

 で、この本、みずほの次世代システム開発の迷走ぶりを一方的にディスるだけではなくて、次世代システム「MINORI」の概要、API連携、SOAによる疎結合あたりも取り上げていて、良い意味でも悪い意味でもフェアですね。ただ、一つあればよかったと思ったのが、今後の銀行システムがどうあるべきか、骨太の議論があってもよかったなあと。

 とくに最近はフィンテック勢の躍進が目覚ましく、銀行しかできないことがだいぶ減ってると思う。たとえば、給与振り込みも今は実現してませんが、そのうち、PayPay口座に入金みたいなこともできるはずだし、たしか、中国はもうできてますよね。海外送金も銀行経由でなくてもだいぶ実現しつつあるし、コストも安いですしね。

 「人が育った」というのがこのプロジェクトの成果ということですが、育った人を活かすのが今後の課題・チャンスなんでしょうね、やっぱ、会社が魅力的じゃないとフィンテック勢にうつってしまうし。みずほを含めて銀行がどう新しい勢力と競争・共存するのか、そして、 他山の石以て玉を攻むべし、このみずほの教訓が自分にも大いに学ぶところがありそうです。

代替肉とは何か?ビヨンドミートは何がすごい?

3月 4th, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (代替肉とは何か?ビヨンドミートは何がすごい? はコメントを受け付けていません)

代替肉とは何か?ビヨンドミートは何がすごい? 世界で進む脱肉ビジネスをひも解く

いつもお世話になっているSBBITにビヨンドミートの記事を寄稿させていただきました。最近よく聞く代替肉のリーディングカンパニーです。

0から1を生み出す、これからも様々な試練はあると思いますが、この会社であれば乗り越えることができると思っています。

「全力」と1兆ドルコーチ

3月 3rd, 2020 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (「全力」と1兆ドルコーチ はコメントを受け付けていません)

先日、ある方と話をしていて、スポーツの世界で常勝監督のような結果を出している監督・コーチに共通しているのは、選手を「全力」にさせること、という。

 これは納得感があって、会社でもそうですよね。社員全員が「全力」で取り組んでいる会社はだいたい結果を残しているし、派閥争いとかで全員が全力を出していない会社は業績に結び付いていない傾向があると思います。まあ、どの会社というわけでなくて、あくまで一般論ですが。

 で、次のポイントはどうやったら「全力」を出すことができるか?ということで、ここのところ、つらつら考えていたなかで出会ったのが「1兆ドルコーチ」です。

 アメフトのコーチ出身のビル・キャンベルは、アマゾン、アップル、グーグルなど名だたる会社のコーチを務め、その彼の教えを説いた本で、とてもよかったです。で、最初のどうやったら「全力」を出せるか?という点だと、こう指摘しています。

「さまざまな利害をまとめ、意見のちがいは脇に置いて、会社のためになることに個人としても集団としても全力で取り組む「コミュニティ」として機能するチームだ。人は、職場の協力的なコミュニティの一員と感じると、仕事に対する意欲が高まり、生産性が上がることが、研究により示されている。」(p50)

 まあ、ざっくりいうと、コミュニティということなんだと思います。たしかに、上司が部下に一挙手一投足、指示するケースだと、部下は大抵イヤになって、仕事に対する意欲はあんまり高まらないですよね、もちろん、例外はありますが。結局のところ、このコミュニティを作るのが一番難しいわけですが、こうしたことを気にするか、気にしないかで大きく変わる気がします。というわけで、「全力」というのは簡単なようで、奥が深く、自分も「全力」を出すチーム作りに貢献できればと思いました。