最近、おもうこと。
もう、だいぶ前の話だけど、新卒採用のセミナーである担当者の一言。
「ウチは、いままで中途採用だったけど、白いキャンバスを染めたい思いから新卒採用に踏み切りました。」
当時は、何も思わなかったけど、今思えば、なかなか大胆なこと言うなあ、と思う。
どんな企業にとっても、人は財産。だから、新卒、中途を問わず、許す限り人を採りたい。
で、新卒と中途、どちらがいいのかといえば、なかなか難しい。
たしかに、冒頭の担当者のように、新卒は”白いキャンバス”であり、それを企業カラーに染めることはできる。
まあ、大学生が勉強しなくて就職できるのも、”白いキャンバス”という点からは良いのかもしれない。
ただ、最近思うのは、企業カラーに染めることは、良いことでもあり、悪いこともある。
良いことは、やはり、企業のカルチャーをちゃんと理解できること、中途で入ったけど、カルチャーに馴染めず辞めるという例は多い。
一方、悪いことは、一つの会社しかいないので、やはり、視野が狭くなること。
やはり、一つの会社で、かつ、ジョブローテーションをしないまま何十年も同じことをやっていれば、外との接点も少なくなり、必然的に、井の中の蛙、ガラパゴスになってしまう。学業がすごく優秀な人が、こうした境遇に置かれて、ガラパゴス化しているケースをたくさん見ているので、それほどこれは間違っていない気がする。これはもったいない。むしろ、そういう人にこそ転職を薦めたい。
逆に、中途ばかりの集団もなかなか難しい。とくに、中途は専門分野に長けていることを買われて、採用されるケースが多いので、タコつぼ化するケースも結構ある。
という意味で、大事なのはバランスだと思う。新卒ばかりでは金太郎飴、すなわち、どこから切っても同じになってしまう、そんなときは、外の血を入れて、視野を広くする。一方、中途ばかりでは、傭兵集団になりがちなので、会社に対するロイヤリティがそれほど高くないケースがある、そんなときは、”白いキャンバス”の新卒を入れる。このバランスが大事なんだなあと思うのです。