オムニ・マネジメント 2013年10月号 「ビックデータ」活動最前線 に寄稿させていただきました

9月 27th, 2013 | Posted by admin in お知らせ - (オムニ・マネジメント 2013年10月号 「ビックデータ」活動最前線 に寄稿させていただきました はコメントを受け付けていません)

一般社団法人日本経営協会の機関誌であるオムニ・マネジメント 2013年10月号 「ビックデータ」活動最前線に”経営者のデータ分析重視と、失敗を限定しない企業文化が重要”として寄稿させていただきました。

http://www.noma.or.jp/noma/omni-management/index.html

「ロスジェネの逆襲」に見る半沢直樹の条件

9月 25th, 2013 | Posted by admin in 経営 - (「ロスジェネの逆襲」に見る半沢直樹の条件 はコメントを受け付けていません)

いや~、半沢直樹のドラマ面白かったです。

この面白さを語るには、いまさら感があるけど、とにかく、面白かったです。

で、巷では、映画化のうわさもある、出向先の半沢直樹を描いた「ロスジェネの逆襲」をドラマの余韻が醒めぬまま、読みました。

これもやっぱり面白い、原作の方は、ドラマに比べると半沢直樹が若干マイルドになっていて、これをドラマにするとすごいことになるんだろうなぁと想像しながら、最後まで一気に読みました。

それで思ったこと、自分もいろいろな会社をみるチャンスがあるけど、どの会社にも半沢直樹に相当する社員はいると思う。もちろん、何も状況がわからないまま、”倍返し”をしても、会社の反発を買うだけだけど、倍返しが成立しうる環境もあるかなと。ロスジェネの逆襲(ドラマも同じ)だと、たぶん、以下の環境。


1.トップからの認知・理解
 これはすごく大事。どんな企業を問わず、トップの最大の特権は人事と報酬を決める権利。アメリカ型コーポレートガバナンスというなかで、人事を決める指名委員会、報酬を決める報酬委員会を設置する委員会設置型がある。でも、日本でなかなか普及しないのは、このトップの権限である人事と報酬を奪うものであり、なかなか普及が進まないのも、この強力な権限をトップが手放したくないというのもある。半沢直樹でいえば、このトップは、中野渡頭取、ドラマでは最後に子会社出向を命じるものの、頭取は”銀行を変える面白いやつ”という認識があるように思う。これは、他の会社でも結構あって、”皆に反対されたけど、社長だけ支持してくれて、プロジェクトを進めることができた”という話も結構多い。トップから認知・理解されること、これが一番重要だと思う。

2.同期の絆
 結局のところ、ビジネスの多くは、どれだけ情報を持っているかで決まる場合が多い。それで、自分の部署だけだと情報が限られていて、内部・外部を問わずいろいろな情報を収集することで、次の打ち手を決めなければならない。たとえば、そういう情報が入ってくるのは、タバコ部屋、自分はタバコを喫わないのだけど、たまにタバコ部屋にいくと、いろいろな情報が入ってくる。そして、部署が違う同期も”タバコ部屋”と同じ役割だと思う、半沢直樹でいえば、渡真利、近藤がこれに相当する。これも重要。

3.部下からの信頼
 「ロスジェネの逆襲」では、半沢の部下として働いた森山がこう回想する。

半沢は尊敬に値する上司だった。顧客を優先し、自らの地位さえ顧みない肝のすわった仕事ぶり。知恵と努力で相手を上回り、僅かな糸口から事態を逆転に導く手腕、。半沢と仕事ができたのは、森山の財産だ。(「ロスジェネの逆襲」 p363)

 これはドラマをみれば言わずもがな、でしょう。そして、ロスジェネの逆襲では、”ロスジェネ”の部下が、半沢の思いもよらない方法で、”逆襲”します。

この3つ、もちろん、トップからの認知・理解が一番重要だけど、それには同期・部下とのコミュニケーションも大切、そうした3つの当たり前があるからこそ、倍返しが成り立つのかもしれない。そして、ロスジェネの逆襲、映像化が楽しみです!

 

「世界」を変えろ! 急成長するスタートアップの秘訣

9月 18th, 2013 | Posted by admin in 経営 - (「世界」を変えろ! 急成長するスタートアップの秘訣 はコメントを受け付けていません)

日経BP田島様より献本いただきました、ありがとうございます。

本のタイトルは、”「世界」を変えろ! 急成長するスタートアップの秘訣”、オリジナルのタイトルは、”The Startup Playbook: Secrets of the Fastest-Growing Startups from Their Founding Entrepreneurs”、言ってみれば、急成長した企業家が明かすスタートアップのプレイブック、といったところだろう。

そういうわけで、この本には、スタートアップで急成長した41人の企業家のストーリー、起業家へのアドバイスが収録されている。ただ、このアドバイス、人によってさまざまで、たとえば、取締役会に対するアドバイスとして、

取締役会は気にせず、顧客の方を向こう:あなたも社員たちも、取締役会を気にしないでいられるようになりましょう。いつも、「取締役会に喜んでもらうために、これをしなくちゃならない」などと言っていたら、この組織は取締役会を喜ばせるために存在しているのだ、という誤ったシグナルを送ることになります。あらゆる企業の目的は、顧客を喜ばせることです。その目的を達成しましょう。そうすれば、取締役会の機嫌もよくなるはずです。 スコット・ハイファマン(創業者:アイトラフィック、フォトログ、ミートアップ) (p164)

というアドバイスもあれば、

言いなりにならない取締役会をつくろう:私は古いものを壊すのが好きです。多くの新しいカクテルの多くが、そうやって生まれてきました。社外から来た人物で、四六時中あなたのことをほめたたえるなどということをしない人物が必要です(そんな人物が必要だと言うのなら、賞賛の声は会社のドアを開けた時に外に出ていき、社内に残らないようにしなければなりません)。取締役会も、会社のいうことを単に承認する存在ではなく、会社を振り回す存在でなければなりません。リサ・ガンスキー(創業者:オフォト)(p128)

というアドバイスもある。”船頭多くして”ではないけど、一つ言えるのは、この本のすべてのアドバイスを参考にして、起業しても、結局、妥協の産物になってしまって、よいプロダクトは生まれない気がする。

 だからといって、この本が使えないという話ではなくて、むしろ、本書冒頭にある

率直に言えば、会社とは人であり、出発点となるのはあなた自身だ。格言にもある通り、自分自身を率いることができなければ、他人を率いることなどできない。不快にも感じるかもしれないが、これは事実だ。会社の立ち上げを通じて、本当のあなたが暴かれることになる。古い自分はばらばらになり、新しい自分になることを強いられることも多い。ずっと続くような組織をつくる際には、中核となる目標や信念、方向性が必要だ。(p7)

 というわけで、アドバイスがバラバラになるのは、人それぞれ出発点が違うから。そして、出発点が違うからこそ、受け入れるべきアドバイスもあれば、受け入れるべきでもないアドバイスもある。

 たとえば、前述の取締役会だと自分としては、スコット・ハイファマンの”取締役会は気にせず、顧客の方を向こう”という指摘より、”言いなりにならない取締役会をつくろう”というリサ・ガンスキーの指摘の方が響く。それは、自分は経営をアドバイスするという立場から、いくつかの取締役会に出てきたけど、”言いなりにならない取締役会”にするのは楽ではない。ともすれば、形式だけで終わる可能性もある、だけど、”言いなりにならない取締役会”にするは、全員が緊張感をもって臨まないといけないし、取締役会に臨むにあたって、きっちりその会社のおかれている状況を誰よりも理解しなくてはならない。

結局、それは”やるしかない”。そして、本書は、きっちりやり遂げている人たちの”プレイブック”ともいえるかもしれない。

 もうひとつ、いいなと思ったのが、2度、3度と起業を失敗した人が多いこと、さっきのように、”やるしかない”のだけど、常にうまくいくとは限らない、2回、3回と失敗して、ようやく、マーケットのリーダーのポジションを手にした起業家が何人もいること。どんなに苦境に立たされても、Never Never Never Give upであきらめない。なので、これからスタートアップという人もおすすめだけど、現在スタートアップもしくはすべてのビジネスにおいて、心が折れそうな状況に置かれている、こんなときに、この本はピッタリだと思います。日本版もぜひ欲しいです。

MOTとマネジメント

9月 13th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 経営 - (MOTとマネジメント はコメントを受け付けていません)

最近思うこと、その昔大学で博士課程の学生をやっていたころ、単位取得のためにMOT(Management Of Technology)の授業をとっていた。

当時は、研究一筋でマネジメントとは全く縁のない世界にいたこともあって、その新鮮さに大いに刺激を受けたものでした。

そして、アナリスト、そして、マネジメントに身を置く立場になってみて、MOTに対して考え方が変わってきたと思う。

というのは、当時は、マネジメントは、”一部の企業のエラい人がやるもの”と思っていたけど、いろいろ経験してみて、マネジメントは、企業のエラい人ではなくて、誰もが毎日何かしらのマネジメントに携わっていること。たとえば、体調管理はマネジメントそのものだ。

という意味では、マネジメントのないテクノロジーはありえないともいえる。では、テクノロジーならではのマネジメントってなんだろう?


ちょっと極端かもしれないけど、”テクノロジーな人がマネジメントを知る”ことだと思う。前述の自分のケースも、証券会社に勤めることがなく、エンジニアのままだったら、相変わらず、マネジメントは、”高嶺の花”だったかもしれない。マネジメントが近くにあること、それを知ることで、さらに、勉強する。そうしたきっかけづくりというのはとても大事。

自分が思うにテクノロジーな人(=理系)はマネジメントが向いていると思う。たとえば、ダイエットというマネジメントであれば、どのようにして体重が減るのかを仮説を立てて、その仮説を日々の食生活・運動で実行しながら、体重を測ることで検証し、また、仮説を検証する。このPDCAサイクルは、いわゆる、理系の実験プロセスそのものだろう。

 世の中にマネジメントがあふれている、でも、それに気が付くのはもっと重要、そんなことを先日思いました。