四半期に一度書かせていただいている世界ハイテク企業ウオッチです。今回はアマゾンをとりあげました。
これまでの買収を一つ一つ読み解きながら、アマゾンの次の一手をどうするのかについて書かせていただきました。
連載:世界ハイテク企業ウォッチ アマゾンの次の一手は?買収企業一覧からその戦略を読み解く
8月 31st, 2013 | Posted by in お知らせ - (連載:世界ハイテク企業ウォッチ アマゾンの次の一手は?買収企業一覧からその戦略を読み解く はコメントを受け付けていません)先日、とある方と話すことがあって、とても納得したこと。
それは、ミクロの視点とマクロの視点、両方必要ということ。
たとえば、大河ドラマだと、ミクロの視点は1話1話のストーリー、そして、マクロの視点は全体のストーリー。
だから、1話1話のストーリーがつまらなくても、ダイジェスト版で見ると、全体のストーリーが意外と面白いということがよくある。
最近のあまちゃんが秀逸なのは、1話1話のストーリーがよく練られていながら、かつ、全体のストーリーも深みがある、こんな秀逸のドラマは、はなかなかお目にかかれるものではない。
それで、これは本の話も同じ。自分も何冊か本を書いたけど、自分の書く本は、だいたい1つの話題が1000~2000字くらい、それを10項目まとめて1章にして、全体で6~7章あるパターンが多い。そのとき、言われてみて、そうだなとおもったのが、マクロの視点とミクロの視点。
一つの話題の面白さも重要だけど、それ以上に重要なのが、マクロの視点、一つ一つを重ねて、そこから何が鳥瞰できるのか、こっちの方が大事だと思います。
そして、これは、”デザイン”によるところが大きいと思う。自分の経験からいうと、ミクロを頑張って仕上げて、それがしっかりしたマクロにもなるというパターンはあまりない。でも、最初にマクロを作っておいて、そこからミクロを仕上げていく、こっちの方がやりやすい。だからこそ、全体像が必要なのかと思いました。
最近、考えているテーマが、常勤と非常勤。英語でいえば、フルタイム(full-time)とパートタイム(part-time)
兵法という観点からすれば、フルタイムとパートタイム、どちらが良いかと言えば、フルタイムに決まっている。
孫子の兵法いわく
。我は専りて一と為り、敵は分かれて十と為らば、十を以て其の一を攻むるなり。我寡なくして敵衆き、能く寡を以て衆を撃つ者は、則ち吾が与に戦う所の者約なればなり。
敵軍が自軍の10倍であった場合、そのまま正面突破しては勝ち目がない。だからこそ、1点集中して、強大な相手を撃破する。常勤、非常勤という話、この点からみれば、明らかに、常勤に分がある。そもそも、軍隊の場合、火曜-金曜までサラリーマンですが、土曜-月曜は軍隊入ります、というのは基本的にありえない。という意味では、非常勤(パートタイム)という概念は成立しにくい。
一方で、非常勤が必要な場面もある。自分の知っている範囲では、会社の非常勤役員。役員には、2種類あって、毎日出社する常勤役員と毎日ではないものの、取締役会など会社の重要会議に参加する非常勤役員。
この”非常勤”というスタイル、自分はとても重要だと思う。もちろん、前述のように兵力の一点集中という点では、非常勤は確かに弱い。その理由は、やっぱり、常勤でないと、戦況の逐次把握が難しいから、24時間365日戦況をウオッチしている人と、3日に1回しかウオッチしていない人ではやはり差が出る。でも、一方で、非常勤のよさは、様々な視点でモノを視ることができること。
作戦はつねに正しいとは限らない、ときによっては、とんでもないプランを社長がぶち上げることがあるけど、トップ以下だれも反対できないので、なし崩し的に賛成というケースは、いままで自分の見た範囲では、結構ある。そんなとき、やっぱり、客観的にモノを視る存在は、やっぱり、必要だと思う。
そういう意味で、日本で社外取締役の重要性を主張しているけど、自分もこれに全面的に同意したい。戦況をつねにウオッチしながらも、その戦地が戦っていることが正しいのか、あるいは、他の方策はないのか、様々な観点から議論する、これは会社を変な方向に向かわせないためには、とても重要なことだと思うのです。
レビュープラス様より、「奇跡の営業」(山本正明著、サンマーク出版)をご献本いただきました、ありがとうございます。
この帯には、こうあります。
ただのおじさんが
未経験にもかかわらず
44歳で転職。
入社以来たった10年で
驚異の連続挙積
460週を達成して
ソニー生命
4000人の
トップに立った
秘訣とは?
で、この秘訣はなんだろう?
筆者の山本氏は、これまでゼネコンに勤務していたこともあり、人を圧倒する話術、でトップに立ったわけではない。
むしろ、その秘訣は、”人から人へ紹介してもらう”ことにあるというのが本書の趣旨だ。
そして、人から人に紹介してもらうためのツールとして、アンケートがあり、これは、
あなたがトップ営業マンになるためには、このアンケートを「自己分析ツール」として活用することで、より大きな自己成長、そして、「紹介」につなげていく必要があります。p52
と筆者は主張する。
自分もネットでどうやって口コミを拡大するか、ということでしばしばコンサルティングの依頼をいただくけど、そうしたとき、まず、考えるのは、どうやって、口コミをする仕組みをつくるか。
世界で最も口コミが成功した例は、1950年代のタッパーウェア、いまでこそ、”タッパー”といえば、食べ物等を冷蔵庫で保存するための無くてはならないものだけど、タッパーが登場した1950年代はこうした仕組みがまったくなかった。そこで、タッパーウェアでは、主婦がホームパーティを主催する際に、タッパーウェアを紹介する仕組みを考案。パーティで主婦がタッパーを紹介し、そのパーティに参加した別の主婦がタッパーの良さを理解して、自分でパーティを開催、そうして口コミがどんどん拡大。今のタッパーの原点になったと。
筆者が提案する、”アンケート”もこのタッパーウェアのホームパーティに近いかもしれない。すなわち、アンケートを実施し、そのアンケートから得られた次の紹介者を開拓し、と、どんどん開拓が進むと。そういう意味では、筆者のアンケートという手法は、斬新な手法ではないものの、口コミで人を納得させる古今東西変わらない方法と言えるかもしれない。
文章もとても平易なので、”口コミでビジネスどう広げるか”を考えるにはよい本だと思いました。
USハイテク企業定点ウォッチ 2013年4-6月決算から変化を読む[Longine]
8月 17th, 2013 | Posted by in お知らせ - (USハイテク企業定点ウォッチ 2013年4-6月決算から変化を読む[Longine] はコメントを受け付けていません)6月から投稿させていただいている個人投資家向け投資情報サイト Longineに 「USハイテク企業定点ウォッチ 2013年4-6月決算から変化を読む(パート1、2)」を掲載させていただきました。
低価格帯にシフトしつつあるスマホ市場でどう戦うかがメインテーマです。無料で1週間購読できるので、ご一読ください。
USハイテク企業定点ウォッチ 2013年4-6月決算から変化を読む(第1回)
USハイテク企業定点ウォッチ 2013年4-6月決算から変化を読む(第2回)
かつて証券会社でアナリストをやっていたときの話。
アナリスト(野村証券、みずほ証券などのような株を売る側、通称、セルサイド)は、基本エクイティセールス(以下、営業)とタッグを組んで、顧客(機関投資家、XX信託銀行、XXアセットマネジメントなど)に株を推奨する。
それで、アナリスト当時、苦労していたのは、インプットとアウトプットのバランス。
アナリストのインプットは、自分の担当業界(IT業界など)の会社に足しげく通って、取材して、カバー(将来の収益予想モデルをつくって、メンテする)する。電話で確認する場合もあったけど、実際に訪問すると、微妙なニュアンスを感じ取れたりするので、基本、足で稼ぐことが大切。
アウトプットは、足で稼いだ情報を、レポートとして提出し、その内容をミーティングなどで機関投資家に伝える。その情報に従って、投資すると、リターンを取れる場合もあるし、そうでもない場合もある。
それで、難しいのは、インプットとアウトプットのバランス。インプットばっかりで、なんもアウトプットしてないと、”ちゃんと仕事してんの?”となってしまう。一方で、インプットなしでアウトプットだけだと、上っ面をさらっただけでアウトプットの深みがなくなる。
ちなみに、この図式、IT業界でもかなりよくある。営業と技術の関係は営業とアナリストのそれと全く同じだ。
営業は、その名の通り、自社の製品(サーバ、パソコン、ルータ)などを売るのが仕事。
でも、営業がすべてお客さんのところに行って、お客さんでの契約を受注できるとは限らない。
たとえば、お客さんのところの技術担当者が”技術を呼んでよ”となり、技術を呼んで、その技術が、お客さんに対して、説得できる説明であれば、お客さんは発注する。
ただし、技術もずっとお客さんのところにいってアウトプットしては、製品についてのインプットがなくなり、気がついたら、自社の最新製品を知らなかった、というのは結構多い。
アナリストと営業、技術と営業、結局のところ、重要なのはバランスなんだと思う。インプットとアウトプットのバランスをとる、これは楽なようで難しい、でも、それをやらなくてはいけないってことだと思う。
かつてアナリストとして、上場企業の経営者にインタビューしたときのこと。
自分はかつて、大学で長いこと研究生活を送ったこともあり、ITのことは何となくわかったけど、たとえば、半導体、自動車になると、よくわからない。で、その上場企業は、一応、IT企業だけど、かなり別の分野に特化した分野で、正直、全然事業がわからなかった。
それで、経営者は、”こいつわかってないな”とすぐに看破する、もちろん、だからといって何も教えてくれないというわけではないけど、深い議論ができない。それで、そのときも、自分のトンチンカンな質問からそう思ったのだろう。まさに、言葉はオブラードに包みながらも、”こいつわかってないな”オーラ全開だった。
”わかってない”からどうなるわけでないけど、やはり、そのときは悔しかった。
自分がもうちょっとその分野のことを知っていれば、もっと、良い話を聞けたかもしれないと。
爾来、新しい分野で心がけるようになったこと、それは、片っぱしから、その分野の本を読みあさること。
いまでも、自分の全く知らない分野の新規事業企画、コンサル等の依頼をいただくことがある。いままで自分が持っているノウハウを提供するだけなら、勉強する必要はないけど、独立するとそうはいかない。やはり、必然的に新しい分野にチャレンジして、それを自家薬籠としないと食べていけない。
そのときも、まず、最初にやることが、その分野の本を片っ端から読む。
とくに、最近では、Amazon.comのマーケットプレイスを使うと、送料はかかるものの、中古でかなり安く欲しい本を手に入れることができる。ひと昔前だったら、古本屋めぐりをしなくちゃいけないところだけど、最近は、よくも悪くも古本屋めぐりがなくなった。
やはり、全然知らない分野なので、本を読んでも正直よくわからない。でも、何冊か読んでいくと、だいたい、最大公約数的な似たようなところがあって、それを抑えていくと、なんとなく、わかったつもりになっていく。たとえば、自分でいえば、ずっとITをやってきたので、ITのたとえで理解するようにしている、たとえば、簿記は、TCP/IPと同じで、ゆるやかな枠組みだけ提供してエンドが頑張る、のような。
それで、最大公約数からどうやって細部に入るかは、また、次回。
先日、ある人がこんなことを言っていた。
「部下は、たくさんいると指揮しやすいんだけど、2~3人だと、ウェットになって大変なんだよね」
これは、自分にも経験があるけど、よくわかる。2~3人が仲良くやっていればいいけど、やっぱり、そうはいかない。うまくいかないときもある。
うまくいかないとき、上司はどうするか。これはこれで難しい問題だ。もちろん、もめごとがあれば、仲裁して、うまく方向づけるのが上司の仕事なんだろうけど、世の中、そんなに簡単にいくわけではない。大岡越前のように喧嘩両成敗みたくバッサリ成敗できればいいけど、全員が納得する仲裁は難しい。一人はハッピーかもしれないけど、もう一人は禍根を残すというのはよくある話。
そんな中、なるほどなあ、と思ったのが、瀬島龍三の回想録の話。瀬島龍三は、戦前・戦中は陸軍の大本営参謀として、太平洋戦争の作戦を立案し、戦後は、シベリア抑留をへて、伊藤忠商事副社長として、同社の発展の原動力となった人物。そして、彼が20歳そこそこで士官学校を卒業し、故郷の富山で初年兵の教官として教育にあたることになった。そして、最初にやること、それが初年兵およそ80名の名前、正確、学歴等の暗記という。
1月10日の入営前に、受け持ち初年兵一人一人の家庭状況、正確、学歴、職業、顔写真などを頭に入れて暗記しておく。入営して初めて初年兵と顔合わせしたとき、いきなり、教官の方から、「○○」と初年兵の名前を呼ぶ。呼ばれた初年兵は自分の名前が知られていることでハッと驚く。そして親近感が生まれる。これも一種の教育法だった。
瀬島龍三回想録 幾山河 p36
これって信頼なんだなあと。
やっぱり、上司となるひとが、「今日から自分はあなたの上司です」と言われて、常に上司面されて、威張られていたら、部下は信頼しない。
でも、たとえば、名前を暗記するといった些細なことでも、上司が自ら努力をして、部下に働きかける、それによって信頼が生まれるんだと思う。
かつて、イギリスに留学した時に聞いた話。
ケンブリッジ大学では、先の大戦、第1次世界大戦で、多くの卒業生が犠牲になったという。それは、彼らが、自ら率先して、最前線に立ち、その結果、斃れたという。ノブレス・オブリージュとはまさにこのことだろう。
で、最初の話、どうやって、上司は部下を管理するか。
それはうまく仲裁をするんじゃなくて、自ら率先して、死にもの狂いになって、必死に範を示すことで、信頼を得るってことなのかもしれない。
「アプリの街」作者ぺん太さんインタビュー 【Longine】
8月 1st, 2013 | Posted by in お知らせ - (「アプリの街」作者ぺん太さんインタビュー 【Longine】 はコメントを受け付けていません)先日紹介したLongineに2回にわたって「アプリの街」作者ペン太さんのインタビューを掲載していただきました。
アプリ開発の黎明期から開発をはじめたペン太さん、アプリ開発への思い、作者の想像を超えたコミュニティの広がり、スマホによるアプリ開発の変化など、たくさんの話が満載です。
1週間フリートライアルできるので、ぜひ、ご覧ください。