怒りの沸点

5月 1st, 2018 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (怒りの沸点 はコメントを受け付けていません)

 今日の朝ドラを見ていて面白いフレーズがありました。トヨエツ演じる秋風先生が主人公の父との電話でキレる秘書に対して「怒りの沸点が低い」と語ります。

 自分はたぶん怒りの沸点は高い方だと思います、まあ、昔はよくキレたことはありましたが、最近はあんまキレた記憶にないですね。イヤなことがあっても、良くも悪くも、「ま、いっか」と思ってしまうので。

 さて、この怒りの沸点、高い、低いはともかくとして沸点に達してはいけないと思うのです。いわゆる、瞬間湯沸かし器みたいなかんじで沸点に達すると、怒りが先行して、冷静に判断できない。で、怒られた方もさらにヒートアップするし、そっから、エンドレスに怒りの応酬になるのはよくある話ですね。

 クリントイーストウッド主演の名作「グラントリノ」は、怒りの応酬がメインテーマだと思ってます。そして、怒りの応酬を断ち切るべく最後に主人公が犠牲になる。犠牲がいいのかわからないですが、怒りの応酬を断ち切る、そして、許す、これも大事ですね。菊池寛の「恩讐の彼方」にも通じるテーマですね。

 というわけで、怒りの沸点の高い低いは人それぞれですが、沸点に達しないようにするのも必要かもしれないですね。沸きだちそうだったら、水を差すとか。沸いてしまったら、怒りの応酬になる前に許すとか。チームでやる場合もあるし、自分でやる場合もあるけど、こうした一つ一つのコミュニケーションも大事ですね。

誰よりも会社のことを知る

4月 27th, 2018 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (誰よりも会社のことを知る はコメントを受け付けていません)

 その昔、自分が証券会社でアナリストを
していたとき、先輩から「担当している
会社についてその会社の社員より
くわしくなれ」といわれました。

 あたいまえですが、外部の人間が
その会社の社内の社員よりくわしく
なることは大変です。

 でも、心がけひとつでできるものです。その
会社の社史を読む。ホームページをすみから
すみまで読む。その情報を様々な社員
と議論する。そのつみかさねが社員
よりくわしくなるポイントと思うのです。

 結局のところ、心がけだと思うのです。
たとえ外部の人間であっても心がけ
ひとつで社員より会社のことは
くわしくなれます。そして、これは会社
だけではなくすべてにあてはまりますね。
ムリとおもえることでも心がけ次第で
可能になります。こうしたきちんとした
心がけを大事にしたいです。

裾野をひろげる

4月 23rd, 2018 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (裾野をひろげる はコメントを受け付けていません)

さて、最近の新卒採用で話題となっているのが、メガバンクの採用大幅減。まあ、フィンテックとか支店減とかいろいろ機械に置き換わるなかで、採用減は仕方ないことかもしれません。

 で、これがこれからどういう影響を及ぼすのだろうと先日ある方と話す機会がありました。その昔、自分も金融業界の端くれにいたこともあり、そのときの印象です。外資系の場合、基本、新卒採用して、そこから大事に育てて、終身雇用というケースは、ほぼゼロです。まあ、稀に新卒で頭角を現して、そこからあれよあれよと出世するケースもあるけど、多くは5年以内に転職します。天書先は、外資のコンサルとか最近だとスタートアップとか。

 で、それに代わるのがメガバンク出身の転職組、自分の印象だと、メガバンクは人材育成制度がきっちりしていて、かつ、転職組にはガツガツした人が多くて、外資にはわりとマッチしていた気がします。で、長い目でみると、このメガバンク就職組は減りますよね。そもそも、外資自体が日本撤退もあるので、それはそれで寂しいですが。

 閑話休題。もうだいぶ前ですが、ニュージーランドを旅して思ったことがあります。それは、ニュージーランドのどこにいっても、かならずラグビー場があり、誰もがラグビーに参加・応援する、で、その頂点にオールブラックスがあると。裾野が広ければ山高しの典型ですね。

 と考えるとこのメガバンクの採用減、テクノロジーが進化するうえで仕方ないことかもしれません。ただ、やっぱり、裾野は狭まりますよね。まあ、メガバンクが裾野を広げる役目ではなくて、テクノロジー企業が金融の裾野を広げるのでもよいかもしれません、それはそれでチャンスであり、自分も含めて裾野を広げていければと思いました。

要領の良い人悪い人

4月 18th, 2018 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (要領の良い人悪い人 はコメントを受け付けていません)

要領の良い人悪い人

自分で言うのもアレですが、
 自分は要領が良い方だと思う
あまり深く悩まないし
 つねにベータ主義、完璧を目指さない
統計でいえば正規分布みたいに
 真ん中あたりをかんがえて、はずれの
 0.1%の確率は考えない
一方で、要領が悪い人もいる
 くだんの0.1%を考えて悩んで
  完璧を目指す
と思うと、要領の悪い人、良い人
 両方必要だと思う
自分みたいに適当に考えると
 0.1%の確率を忘れてしまう
完璧に考える人には、「ま、それは
 考えなくてもいいんじゃない」と
要領の良い人と悪い人ーこのチーム
 が大切だと思うのです

紙一重

4月 13th, 2018 | Posted by admin in 日々の思い | 長橋のつぶやき - (紙一重 はコメントを受け付けていません)

 ちょい以前に、ちょっとしたものを手書きして渡したら、字はあんまりうまくないけど味があっていいじゃない、というフィードバックもいただき、ちょいちょいアップしていこうと思います。最初は、紙一重です。

紙一重

 当たり前だけど紙は薄い
 フツウの紙の厚さは0.1ミリ以下だそうだ
 こんな薄い紙だけど積み重なると厚くなる
 人生もこんな薄い紙を積み重なることかもしれない
 薄い紙だけど、日々ていねいに積み重ねる、これが大きな差を生むのではないか
 ”紙一重” - 紙の厚さのようにわずかなちがい
 わずかなちがいかもしれないけどそのちがいを大切にする
 松下幸之助は、紙一重の違いをつかむことが大切と説き、それには”素直な心”が必要と
 ”紙一重” - わずかなちがいだけど、日々素直な心でそのちがいを大切にしたいものです

松下幸之助の紙一重は、「道をひらく」p126

確証バイアスとテヘランから来た男

3月 29th, 2018 | Posted by admin in 経営 | 長橋のつぶやき - (確証バイアスとテヘランから来た男 はコメントを受け付けていません)

 さて、先日読んだ「テヘランから来た男 西田厚聰と東芝崩壊」(児玉博)という本が面白かったのでシェアです、ドキュメンタリーとしてはちゃんと調べてあって、結論はちょいと残念ですが、よい本でした。
 
 東芝元社長の西田氏、イランで現地採用され、社長に就任するや米原子力事業を手掛けるウェスティングハウス(WH)を6400億円を買収する。この本のなかで、印象的なのが西田氏の勉強っぷり。

 「西田に講義を行った原子力事業部の幹部によれば、砂漠が水を吸い込むように原子力というビジネスを理解していったという。西田も米国から原子力関連の書籍、研究書などを次々と取り寄せては読破していく。机の上に置かれた米国版原子力白書は折り込みだらけになっていた。」(p27)

東芝がWHを買収したのが2006年、まさか5年後、原子力の根幹を揺るがす事態である東日本大震災が発生するとは予想だにしなかったと思います。もちろん、誰だってこんなことは想定できないので、不運だったかもしれない。でも、断る勇気も必要かもしれないと思いまいた。

 そこで思い出したのが、1960年代半ばの松下電器による事務用大型コンピュータの参入。松下幸之助は、当時、利用拡大が見込まれる事務用大型コンピュータ事業への参入を決め、オランダのフィリップス社と合弁会社を設立して、参入を決める。しかし、米チェース・マンハッタン銀行の副頭取との会話で日本にコンピュータメーカーが7社あることに驚き、彼はこういう。

「私の銀行は世界中にカネを貸していますが、電算機メーカーは、ほとんどどこも経営がうまくいっていない。アメリカでも今やIBMとGEなど数えるほどしかありません。それもIBM以外はしだいに衰微しているんです。日本に7社あるのは多すぎます。」

「日本経済新聞 私の履歴書 名語録」(石田修大、三笠書房、p40)

そして、松下電器はこの発言を機に大型コンピュータの開発を中止したという。

認知心理学の分野に「確証バイアス」というのがあります。確証バイアスとは、Wikiによれば、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のことであり、まあ、東芝によるWHはその典型かもしれないですよね。

で、こうした確証バイアスに陥らないためにどうするか、松下と副頭取の話のように、素直な心でいろいろな意見を聞く、このブログでも何度か登場する「一方聞いて沙汰するな」ですね。

 

商社というエキサイティングなビジネス

2月 28th, 2018 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (商社というエキサイティングなビジネス はコメントを受け付けていません)

 先日、ある方とお話しをして、とても勉強になったので、備忘録をかねてシェアです。

 その方は、医療機器を扱っている商社を経営されています、具体的には、世界各地で医療機器を仕入れて、その仕入れた医療機器を日本のお医者さんに販売する仕事、いわゆる、商社です。

 商社のビジネスモデルは、左から仕入れて右に流すだけの単純極まりないビジネスですが、彼のこだわりに「なるほど」と思うところがありました。

まず、左の「仕入れ」、彼は世界各地にあらゆる可能性をもとめて医療機器の展示会に参加するといいます。ただ、展示会で展示している機器はみんな知っているので、基本スルーで、むしろ、展示会のカンファレンス、立話などで、でこれから登場するような最新の機器をキャッチして、機会があれば、その会社を実際に訪問して契約を取り付けるという。つまり、誰もが周知される前段階の「展示会以前」をどうキャッチするかが仕入れにおいて最大のポイントという。

 で、そのキャッチした新しい機器について、どう「右に流すか」。単に流すのではなく、彼はこれまで付き合いのあるお医者さんのうち誰が一番喜んでもらえるか、徹底的に考えるという。そして、一番喜んでもらえそうなお医者さんが、その機器を使って、より多くの患者さんを幸せにできることが何より大事だという。

 ま、商社は左から仕入れて右に流す、とてもシンプルなビジネスモデルです。シンプルゆえに、つまらないビジネスモデルかもしれないけど、誰も知らないこれからヒットするかもしれない商品を仕入れて、それを一番喜んでもらえる人に提供して、最終的に患者さんの治療に役立てる。これこそ付加価値そのものですね。

 トヨタ元社長渡辺捷昭氏は、新入社員時代に社食の管理業務に配属されて、なんで自動車じゃないんだ、と、腐りかけたものの、食堂の分析を行い、食堂の仕入れを最適化したところ、「うちの社食でカイゼンをしている若い奴がいる」と見出されて、遂には社長になったと。

 商社、社食、いずれも、一見つまらないビジネスかもしれないけど、心がけ一つでエキサイティングでいくらでも価値を上げることができます。なので、つまらないかもしれないけど、そこに全力を注ぐ、こうしたひたむきさを追求したいものですね。

博士を使いこなす

2月 12th, 2018 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (博士を使いこなす はコメントを受け付けていません)

さて、今日の日経記事「日本企業、博士使いこなせず? 採用増で生産性低下  日本経済研究センター分析」のニュース、元ポスドクとして思うところがありました。

日経記事「日本企業、博士使いこなせず? 採用増で生産性低下  日本経済研究センター分析」

  もう10年以上前ですが、自分もこの「博士号を取得しても就職できない「ポスドク」」を半年間経験しました。そして、ポスドクが終わって、そこから半年間くらい就職活動しました。就職先がなかなか決まらず、結構、しんどかったですが、いろいろあたって2006年3年、日興シティグループ証券に就職できたことはラッキーでした。当時はアナリストに多様な人材を求めていたこともあり、財務諸表もまったくわからない自分を雇っていただき、いまでも感謝です。そして、出身研究室も自由な雰囲気で、博士だから研究者みたいな雰囲気もなく、それも感謝です。

 で、この記事の何をもって生産性低下というか難しいですよね。自分の感覚では、当時は、同じアナリストとして、まわりが同じように接してもらったので、かえって良かった気がします。医薬セクターのカバレッジとか普通にドクターいますよね。あと、外資ということもあるかもしれないです。なので、逆説的ですが、博士だろうと何だろうと肩書・レッテルに関係なく、モチベーションをもって仕事することが生産性を上げるのかもしれません。

 ひるがえって、日本の会社だと、まわりの社員が「博士だから研究職でしょう」みたいな、ちょっとほかとは違う、身構えてしまうところがあるのかもしれません。かつ、本人も「博士取ったのになんで研究職じゃないんだ」といったプライドを持ち、その結果として生産性の低下が起きるのかもしれないです。

 というわけで、企業においては、「博士」だからといって、本人もまわりも特別扱いしない、研究職しかないのではなく、普通に扱えばよいのではないでしょうか。ま、5年くらい遅れた新卒くらいで。そう思えば、まわりも博士を新人として受け入れる、そして、本人も謙虚に業務をこなす。100年生きる人生、新卒22歳も27歳もそれほどあまり変わらないと思うのです。なので、博士であっても、身構えず、むしろ、いろいろなバックグラウンドを受け入れる土壌、ダイバーシティ、企業にとってはこれが必要なのかもしれなですね。

箱根駅伝にみる目線の高さ

1月 4th, 2018 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (箱根駅伝にみる目線の高さ はコメントを受け付けていません)

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。さて、最近のお正月は日本にいることが多くて、いつも箱根駅伝を楽しみにしています。

 いつも思うのですが箱根駅伝は見どころがたくさんありますよね。往路復路の優勝争い、シード権をめぐる攻防戦、繰り上げスタートを避けるべく必死にタスキをつなげる姿、出身校の走者の頑張る姿、まさに、全員が主役の素晴らしいドラマだと思います。だからこそ、90年以上も続いているんでしょうね。願わくは、母校の慶応が学生連合ではなく、大学として一度くらい箱根駅伝に出てほしいなぁと。いつかこの楽しみも味わいたいものです。

 そんな箱根駅伝のなかで、自分の印象に残ったのが総合優勝した青学 原監督の「目線の高さ」です。彼にとって、箱根駅伝で勝つことはもちろん大事なものの、それ以上に日本の陸上の裾野の広げて、世界的なランナーを育て、オリンピックをはじめ世界に通用する選手を育てたいという。箱根駅伝からなかなか次につながらない現状において、彼の「目線の高さ」は素晴らしいと思いました。

 閑話休題。年末に宮本輝の「優駿」を読みました。日高の小牧場から誕生した競走馬オラシオンがダービーを勝つという、今で言えばキタサンブラックのようなサクセスストーリーですが、このオラシオン、競走馬の育成を吉永ファーム(モデルは社台ファーム)で行っています。

 この小説は今から30年くらい前で、社台ファームではようやくノーザンテースト産駒(小説中ではセントエストレラ)が走り出したころ。圧倒的な強さを見せるサンデーサイレンス産駒旋風が起きる前です。でも、牧場主の吉永達也(故吉田善哉氏)は、日本の競馬で勝つのではなく常に世界を見て、世界に通用する馬を育てるべし、と檄を飛ばします。それから30年、彼の「目線の高さ」は間違いなく日本の競馬馬のレベルを上げました。

 で、この「目線の高さ」は、陸上・競馬の話だけではなく、ビジネスにも当てはまりますよね。目先のビジネスをゲットすることだけにこだわらず、高い目線で世界を視野に見据える、こうした「目線の高さ」が長い目で見て大きな差を生むと思うのです。ということで、原監督のこれからのチャレンジに期待するとともに、自分も高い目線でチャレンジしなくてはと思いを新たにしたのでした。また、来年も箱根駅伝が楽しみです。

サーフィンとビジネス

12月 25th, 2017 | Posted by admin in 長橋のつぶやき - (サーフィンとビジネス はコメントを受け付けていません)

遅めの夏休みをいただいてハワイマウイ島にいってきました。

 で、やりたかったアクティビティの一つがサーフィンでした。常々自分は、テクノロジービジネスはサーフィンのように波乗りスタイル、と言ってきました。そのなかで、先日、ある方から、「サーフィンは、波にのって越えたら次の波がある、そして、次の波に乗ることはできる会社とそうじゃない会社の違いはキャッシュがあるかどうかだ」みたいな話を伺い、なるほどと思いながらも、いつかやってみなければ、とも思っていました。

 実際、やってみるといろいろ発見がありました。まず、波は至る所にあります。自分のような素人は10年に一度のビッグウェーブは必要なく、ちょっと待つだけで波に乗れました。ビジネスでも、ビックウェーブに乗ることは大事ですが、ちょっとしたところビジネスチャンスはいくらでもありますよね。

 で、もう一つは波に乗るには、ちゃんと準備が必要なこと。ボードと波をあわせて、必死にパドリングして波にのる、何かを成し遂げるためにちゃんと準備をする、これは当たり前かもしれないですね。

 最後に、サーフィンのアクティビティの90%はパドリングと波を待つこと、実際に波に乗っているのはほんのわずかですよね。でも、90%の地味な作業をしながら、波を待つ準備をして、ちょっとした波にのる、これはビジネスにも共通する話かもしれないと思いました。