ソーシャルメディアストラテジストはいらない?

4月 6th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 経営 - (ソーシャルメディアストラテジストはいらない? はコメントを受け付けていません)

ソーシャルメディアで売り上げを伸ばす?

自分の職分は、ある企業の企業価値を高めるために、その企業の売上を伸ばす、もしくは、コストを削減して、利益を増やすことをお手伝いすることです。そのなかで、どうやって売り上げを増やすか、ということで、やはり、最近、よく話題にでるのが、ソーシャルメディア。ソーシャルメディアを活用すれば、売上が増えるのでは?という話。これは、半分正しいけど、一方で、Facebook,Twitterを使うだけで、売り上げがあがるほど、世の中甘くないのは事実。

ソーシャルメディアストラテジストとは?

ソーシャルメディアをやれば売り上げがあがる”ソーシャルメディア神話”を真っ向から否定するのが、uber.laのこの記事

タイトルから刺激的で、”Death of the Social Media Strategist”(ソーシャルメディアストラテジストはいらない) 。自分の理解では、ソーシャルメディアストラテジストの職分は、Facebook,Twitterなどのソーシャルメディアにおいて、対象となる企業・個人の価値・プレゼンスをあげる(Facebookでは、いいね!の数を増やす、Twitterではフォロワーを増やすなど)こと。すなわち、いいね!、フォロワーが多ければ多いほど、そのフォロワーからのリーチが増える→企業であれば売上が上がるという、算段ともいえる。

顧客の購入の導線

 ただ、フォロワーが増えることが、売り上げにつながるかというのは、なかなか難しいし、個人的にも、やや疑問を感じている。それを示しているのが、上の図左の”Average Share of Marketing Budget”(平均的なマーケティング予算のシェア)、これは米国のものであり、すぐさま日本に当て嵌まるわけではないけど、企業のマーケティングの予算の多くは、メール、イベント/展示会、ダイレクトメール、一対一の面会、ダイレクトメールなどに費やされていて、ソーシャルメディアの占める割合は第6位の8%。その背景は、右図の、”online services most likely to influence a purchase”(実際の購入に影響を与えたオンラインサービス)として、1番は、企業のECサイト、あるいは、amazon.com、もしくは、日本ではkakaku.comのようなRetail Sites(小売サイト)と指摘する。やっぱり、実際に売っているサイトのレビューなどを見て、購入すると。

枝を見ずして、森をみる

 ここから言えること、やはり、”Death of the Social Media Strategist”はやや言い過ぎかもしれないけど、でも、ソーシャルメディアだけでは、売上は増えない。むしろ、本丸(Retail Sites)にアクセス・購入するためにFacebook・Twitterといったソーシャルメディアが”従”としてあり、ソーシャルメディアという”枝”ではなく、企業全体の戦略”森”を見て判断することが売上につながる、と強く思いました。

  

Groupon,Pinterest,Foursquareはどこにいった?

4月 1st, 2013 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー | 経営 - (Groupon,Pinterest,Foursquareはどこにいった? はコメントを受け付けていません)

前回取り上げたPheedのように、たくさんのソーシャルメディアサイトがサービスを開始している。そして、もちろん、人間の活動時間は1日24時間と決まっているので、既存のSNSにくわえて、さらに、新しいSNSを利用するとなると時間が足りなくなってしまう。となると、必然的に”最後にログインしてからだいぶ経ってる”ソーシャルメディアが必然的に増えてくる。

Inc.誌の記事 That’s So 2012: Have Pinterest, Foursquare and Groupon Peaked? (Pinterest, Foursquare, Grouponは2012年がピーク?)によれば、この3つのソーシャルメディア(Groupon, Pinterest, Foursquare)が、”最後にログインしてからだいぶ経ってる”モノだと指摘する。

グルーポン(Groupon): 中小企業にとっては使いづらい?

 日本でもポピュラーになったグルーポン。最低クーポン枚数を販売する必要があるため、ネットでそのクーポンを”拡散”する。
グルーポンの問題は何か?やはり、一度きりで終わってしまうこと。とくに、中小の飲食店にとって、一度しか来ない顧客のために、あえてグルーポンへ手数料を払うのはリスクになると。
逆に、日本の場合、”一度きり”を活かした通販系が多いように思うので、活路があるとしたら、”一度きり”を活かす道だと思う。
拙著「スマートフォンビジネスモデル」では、グルーポンの次のビジネスモデルとして、Groupon Rewards(オンラインポイントカード、特定の店舗で、クレジットカード決済するとポイントがたまり、アイテムと交換できる仕組み)を挙げたけど、 “finding merchants willing to discount their products through Groupon will be a challenge.”(グルーポンを通じてディスカウントを提供したいと思う店舗を探すのはチャレンジ)と指摘するように、楽ではなさそうだ。

ピンタレスト(Pinterest): ボードを作って満足?

 ピンタレストは、オンラインキュレーションサービスの走りとして公開されたサービス。ユーザは、気に入った画像や自分で撮影した画像をボードとよばれるスクラップ画面に張り付ける(ピンする)、そして、ピンすることによって、自分ならではのボードを作成し、キュレーション(展示)するサービス。Inc.誌いわく”it was just too easy for users to lose interest. I came, I pinned, I conquered–now what?”(ユーザがすぐに興味を失ってしまう。サイトに入って、ピンして、完成される、それで?)と手厳しい。

フォースクエア: チェックインは当たり前?

フォースクエアは、携帯のGPS機能を使って特定の場所でチェックインする、そして、そのチェックインの数に応じて、メイヤー(市長)であったり、バッジをもらえたり、”位置”を活用したいわゆるジオメディアの先駆け的存在。メイヤー(=ロイヤルカスタマー)には、特別ディスカウントなどのキャンペーンもあるものの、やはり、

These days, however, you can check-in from almost any social media platform, so the big dogs Facebook and Twitter have eclipsed foursquare.
(最近では、どのソーシャルメディアでもチェックインができるようになった、とくに、Facebook、Twitterの大手がチェックインを導入しており、フォースクエアの影が薄くなった)

という指摘が的を射ていると思う。

グルーポン、ピンタレスト、フォースクエアの共通点と模倣困難性

 この3つのSNSが今後ダメになるのか、あるいは、息を吹き返すのか、それはわからない。でも、3つに共通している点は、おそらく、マネしやすい点にあると思う。フォースクエアのチェックインも、ピンタレストのピンも、グルーポンのクーポンも比較的簡単にマネができる。一方で、Facebook、Twitter、あるいは、eBayの決済(paypal)、Googleの検索は、ほぼマネできない。経営学者のジェイB・バーニーは、企業競争優位の一つとして、”模倣困難性”を挙げているけど、マネできないことに企業の優位性があると思う。グルーポン、ピンタレスト、フォースクエアが、さらに磨きをかけて、模倣困難なサービスを打ち出すことを楽しみにしています。

Pheedは次のTwitterになるか?

3月 27th, 2013 | Posted by admin in イノベーション | テクノロジー - (Pheedは次のTwitterになるか? はコメントを受け付けていません)

Facebook,TwitterのようなSNSは、サーバとソフトウェアを用意するだけで、サービスを提供できるので、その参入障壁はとても低い。このPheed(フィード)も、海千山千とあるSNSの一つ。

Pheedは、いわゆる、Twitterの拡張版で、Twitterのようにユーザをフォローし、自分でテキスト(400文字)、写真、オーディオクリップ、動画、ライブを投稿することができるサービス。ただし、Twitterと違う点は、ユーザによるマネタイズ手法をサポートしている点。具体的には、Monthly Subscription(月額課金)ならびに有料ライブ配信ができる。Forbesはこの記事で同社を”Twitter with a business plan”(ビジネスプランありのTwitter)と指摘したけど、まさにその指摘通り。

それでPheedは次のTwitterになりえるのか? Twitterはさておき、Ny Timesのこの記事昨年11月のInstagramの規約変更(Instagramに投稿した写真をInstagramが広告素材として販売)によって、Instagramを退会したユーザがPheedに流れて、Pheedのダウンロード数が増えていると。Pheedはビジネスモデルが最初から確立している分だけ、Instragramのようにマネタイズを焦ったSNSからのユーザの受け皿になるのかもしれない。

それ以上に次のTwitterになりうるか、という点では、”ネットワーク効果”が大きいと思う。拙著でも何度か紹介させていただいおりますが、この手のSNSの成否は、”ネットワーク効果”がとても重要。ネットワーク効果は、ネットワーク(つながる)ことによって効果が増すこと。たとえば、電話は世の中に10人しか使っていなかったら誰も使わないだろう、でも、今、携帯を含めてほとんどの日本人が電話を利用していているので、そのつながっている効果(ネットワーク効果)は高い。一方、Pheedの場合、自分も使ってみたけど、”Pheedでなければできないこと”はあまりなく、ネットワーク効果という点では、PheedはFacebook, Twitterとくらべてやや低いと思うし、これで課金があっても、利用する人はそれほど多くないと思われる。

自分の知っている限り、ネットワーク効果をすぐに高める方法はあまりない(大量の広告費をかけて一気に攻勢をかける手もあるけど、ブームが終わるとユーザは飽きてしまう)。一気呵成に広告をかけるモデルより、むしろ、じっくりコミュニティを育てていく方が現実的のように思われる。たとえば、Pheedでは、注力するコミュニティとしてスケートをあげており、スケート雑誌「transworldskate」とタイアップして、Pheedページを作成している。このPheed、一気にユーザが拡大するわけではないだろうけど、じっくり育てるモデルに注目です。

企業というアーキテクチャ

3月 22nd, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (企業というアーキテクチャ はコメントを受け付けていません)

大学のころからITに関わるようになって、もう15年近く経ちます。その経験から、IT≒システムにとって一番重要なのは何かといえば、アーキテクチャ(構造)だと思う。

結局、システムは人間が作るもので、システム自ら何を生みだすことはない。もしかしたら、30年後はコンピュータが進化しすぎて、コンピュータ自身が考えてプログラミングする、いわゆる2045年問題、が現実になるかもしれないけど、少なくとも、これから10年くらいは、人間がシステムを作る状況は変わらないだろう。人間がつくるからには、何かしらの設計思想が必要であり、それがアーキテクチャともいえる。

たとえば、SNSでは、友達間で情報を共有したいという思いがあったとして、その友達と友達をつなぐアーキテクチャを考えて、それをシステムに落とし込む。逆に言えば、アーキテクチャのないシステムは、何も用をなさない。自分が大学生のころ、いろいろプログラミングをして作ったけど、作りっぱなしで、ほとんど使っていないのは、結局、アーキテクチャがないシステムだったと思う。

それで、最近思うのは、企業もこの”アーキテクチャ”という概念がとてもあてはまる。そして、その企業のアーキテクチャは、組織とビジネスモデルにある程度集約できると最近思う。

組織:個人事業と企業が違うのは企業は組織であること。そして、その組織は、誰が株式を所有して、今度誰に所有してもらうのか(資本政策、最初はあまり関係ないけど、会社が大きくなると避けて通れない問題)、どのように意思決定するか(取締役会、これもスタートアップは、オーナー=株主=取締役だけど、これも大きくなると構成が変わらざるを得ない)、そして、従業員、から構成される。

ビジネスモデル:組織はできても、それを適正価格で販売して、そこからキャッシュを得る仕組み、すなわち、ビジネスモデル、がないと企業として立ち行かない(永遠におカネが入ってこなくて、出ていくだけだったら、資本金を食いつぶして、倒産してしまう)。

そして、最近思うのは、良い企業のアーキテクチャとは、シンプル、わかりやすいこと。組織もシンプルで、ビジネスモデルもシンプル。エレベーターが下りているほんのわずかな間に上司にプレゼンをする”エレベータートーク”がプレゼンの基本というように、一言で説明できること。システムも同じで、一言で説明できないシステムはたいてい使われない、それは何ができるかわからないから。シンプルが一番、これがシステム、企業いずれにも共通する良いアーキテクチャなんだと思う。

スペックを書くコツ

3月 20th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (スペックを書くコツ はコメントを受け付けていません)

これまで、ビジネスとしてシステムのスペック(仕様)を書く仕事をしてきて、スペックの書き方にはコツがあるなあと思うようになってきた。

ちなみに、ここでいう、スペックは、システムをつくる上流工程での要件定義・基本設計で、それをもとにシステムを作ったり、あるいは、ベンダーにRFP(Request For Proposal)として提示して、見積もりをお願いしたりする。そして、要件定義・基本設計を大きく外さなければ、それに続く設計・実装もそれほど大きく外れることはない。言ってみれば、建物の設計図に相当するもので、作ってみたら、”柱が足りなかった”、”家が傾いていた”、ということがあってはならない。

それで、どうやってスペックを書くか、一言でいえば、”漏れをなくし、重複をなくす”だと思う。

 これはコンサル用語でいうところ”MECE(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)”であり、漏れなく、重複なく、は当たり前のことなんだけど、これが以外と難しい。結局のところ、何が漏れているのか、全体像が見えていないとわからないし、経験を積まないと、失敗するポイントも見えてこない。

 どうやって漏れと重複をなくすか?その一つのアプローチとして、自分がいつも心がけているのが、証券アナリストをしているときに教わった”分解して考えるべし”という考え方だ。たとえば、ある会社の売上高が100億円だったとして、その100億円が、業種別(金融30億円、製造業70億円など)、セグメント別(コンサル10億円、システム開発60億円、物品販売30億円など、そして、この組み合わせによって粗利が決定される)に分解することができる。そして、その分解の粒度(金融であれば、そのうち、銀行、証券、保険など、さらに銀行であれば都市銀行、地方銀行、最終的には個社(MUFJなど)に帰着する)を上げれば上げるほど、その会社の特性、何が伸びて、何が落ち込むのか、おぼろげながらわかってくる。

 これはスペックを書くときも同じで、結局、経営もしくは発注側は、”ECのシステム作りたい”など漠然としたリクエストが多い。その漠然としたコンセプトを漠然としたままでいくと、結局できるものも漠然としてしまう。だからこそ、分解して、分解して、分解する、その過程で、不必要なところを削り、必要なところをさらに深堀りする。これを繰り返すことで、漏れなく、重複なく(MECE)を実現できるケースが多い。もちろん、分解しすぎて、全く当てが外れることもあり、どこを捨てて、どこを深堀りするかの勘所を押さえるのは経験によるものだと思う。

 いってみれば、このMECEは分解した後の結果であり、それ自体は目的じゃないと思う。そして、分解して、分解して、分解する、これが重要なんだと思う。

CIOはいらない?CDO(Chief Digital Officer)の興隆?

3月 17th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (CIOはいらない?CDO(Chief Digital Officer)の興隆? はコメントを受け付けていません)

自分自身もCIO代行のような立場で企業の情報システムのコスト分析・提案をするので、CIO(Chief Information Officer、最高情報管理責任者)はどうあるべきか、については折に触れて考えることがあります。

そして、この記事、結構、大胆にCIOは使い物にならないので、CDO(Chief Digital Offier、金融の人にとって良い思い出がない略語かもしれない)を登用すべきだと主張する。

なぜ、CIOが使いものならないのか。この記事によれば、その理由は2つ。まず一つは、CIOは、Exchange(メールサーバ)、SAP(企業の財務・販売などの基幹システムパッケージ)の知識はあっても、デジタルマーケティング、ビックデータ、ソーシャルネットワーキングなど、経営が”攻め”に活用する知識・経験がない。2つ目として、CIOの役割は、情報システムをちゃんと動かすこと。したがって、何か会社でチャレンジをやろうとして、少しでも情報システムを変更することがあれば、CIOはそのリスクを取りたがらない。すなわち、もし、そのプロジェクトが失敗すると、CIOの評判に傷がつくので、できるだけだけそのリスクを避けるように行動する。とはいうものの、最近の企業活動において,デジタルマーケティング(ネット広告など)は切っても切り離せなくなってきている、だから、IT部門でないところから、CDO(最高デジタル責任者)を登用すべきという主張だ。

自分としては、例外を除いて、だいたいこの主張に同意できる。例外とは、CIOがいなくてはいけない業種。そのわかりやすい例は、銀行を含めた金融。金融が扱っているのは、つまるところ、おカネという情報、なので、すべてのやりとりは情報システム経由で行われる。だからこそ、情報システムは、止まってはいけない。ちょっと前の話では、三菱UFJ銀行元頭取の畔柳氏は、旧三菱銀行と旧東京銀行の情報システム部門統合を総轄し、その経験から、UFJ銀行とのシステム統合もトップダウンで実行したのは、業界ではよく知られている話。こうした情報システムが企業の生死に関わる業界であれば、CIOを取っ払って、CDOにせよ、というのはナンセンスだろう。

だからといって、すべての業界でCIOが必要というわけではない。逆に言えば、金融以外について、CIOががっちり情報システムを守るという会社は、よほどの大企業以外はなくなりつつあると思う。むしろ、”止まらないように情報システムを守る”というCIOアプローチよりは、”リスクを冒してでも、デジタル分野を開拓する”というCDOアプローチの方が、企業価値を上げる手段としては有効だと思う。

今日、明日にCIOがなくなって、CDOにリプレースされるということはない。でも、長い目でみると、”情報システムのおもり”は重要だけど、それだけだと、生み出す価値も限定的だと思う。だからこそ、CDOよりな、デジタルを使ってビジネスを生み出すアプローチが情報システムにとっても重要だと思うわけでした。

進化するTwitterのビジネスモデル

3月 13th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (進化するTwitterのビジネスモデル はコメントを受け付けていません)

Twitterといえば、オンラインストレージのDropboxと並んで、IPO有力候補として注目されている企業。とくに、2011年8億ドルをロシアのベンチャーキャピタルから調達していることもあり、VCの出口として年内に公開するのではといわれている。

そうしたなかで、Twitterのビジネスモデルが変わりつつある。
4 Ways the Twitter You Know is Changing Foreverによれば、次の4つの道に進化し、プラットフォーム化しつつあるという。

  1. レーティングサービスとしてのTwitter:自分も含めて140字のつぶやきで多いのは、テレビの感想。そのテレビの感想をまとめて、レーティングをつけて、データを提供すれば、それをほしいと思う会社はいる。Twitterは、ソーシャルテレビを分析するBluefinを買収し、広告代理店Nielsenと共同で、テレビのレーティングサービスを提供する。
  2. ソーシャルコマースといてのTwitter:Twitterは、2013年2月にクレジットカード大手のAmerican Expressと提携。ユーザ情報にクレジットカード情報を記載し(まだ、実装されていない模様)、AMEXが指定したハッシュタグが付与されている商品を登録したクレジットカードで一発で購入できるサービス。
  3. キュレーションとしてのTwitter:これも実装されていないものの、ツィートに、”high(高い)”,”medium(中間)”,”low(低い)”という優先度をつけ、優先度の高いツィートを優先的に表示する。(現在のFacebookのアプローチに近い)。そして、これも発表されたわけではないけど、優先度”high”を課金として徴収する。いわゆる、カネで優先度を買う方法も検討されているという。
  4. ディスカッションフォーラムとしてのTwitter:今後のSXSWで発表されるTwitterの機能の一つであるnestivityは、フォロワーに質問をしたり、フォロワーとディスカッションする機能を提供する。単に、一方的ツイートするだけではなくて、フォロワーとのディスカッションフォーラムを展開するサービス。

すくなくとも、この4つを確実に実行すれば、投資家が満足するようなマネタイズ(収益化)は可能になると思う。ただ、マネタイズに走るあまりに、ユーザが離れてしまう場合もすくなくない。たとえば、ツィートの優先度をカネで買うことができれば、たちまち、ツィートが広告だらけになって、”いつものTwitter”ではなくなる可能性もある。たしかに、Twitterはマネタイズのプラットフォームに近づきつつあると思うけど、楽しくツィートできる”いつものTwitter”であってほしいと一ユーザとして願うところです。

便利屋ビジネスと顧客満足度

3月 11th, 2013 | Posted by admin in テクノロジー | 経営 - (便利屋ビジネスと顧客満足度 はコメントを受け付けていません)

先日、写真の便利屋のチラシが入っていて、いろいろとビジネスを考えるきっかけになりました。

かのピーター・ドラッガーは、企業活動の目的について、”顧客の創造”と定義しました。それは当たり前の話で、お客さんがいなくては、ビジネスにならない。

そして、この便利屋のビジネスも、”ゲームの相手がいない”、”犬の散歩の時間がない”、”洗車の時間がない”といった”時間をお金で買う”顧客にハマるモデルだと思う。

ただ、これでビジネスとしてマネタイズできているのか。これは、どこまでお客さんのわがままを聞くか、だと思う。

”お客様は神様です”よろしく、お客さんのわがままをすべて聞く、もちろん、これは顧客満足度を高める最大の方法だけど、ビジネスとして成り立つとは限らない。

たとえば、自分のなじみのあるIT業界では、システムをつくる際、顧客のシステム設計をする際に、”お客様は神様です”とばかりに、、”ECと連動したい”、”ボタン一発で経営状態が見えるようにしたい”など、お客さんの言い分をすべて聞いて、システムを作ろうとすると、ほとんどの場合、予算、制限時間オーバー、もしくは、ひどいとシステム会社の持ち出しになってしまう。やはり、お客さんのわがままをすべて聞くいわゆる”御用聞き”は必要とされていない。むしろ、腕利きのプロマネは、お客さんのやりたいことを制約条件(予算、時間)のなかでうまく調整する、あるいは、断る能力に長けていると思う。ちなみに、当社では、このシステムと経営とのギャップをセカンドオピニオンサービスという形でギャップ分析を提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 便利屋もこのシステム開発の話と同じで、お客さんのやりたいことをすべて聞いていると、たぶん、ビジネスとして成り立たないと思う。だからといって、”これはできません”と断り続けては、便利屋の沽券に関わる問題で、その折り合いの付け方が、便利屋ビジネスモデルの肝・ノウハウなんだと思う。ちなみに、システムの話に戻ると、システムでは、この肝・ノウハウは、パッケージに相当します。極端な話だけど、Windowsには、製造業向け専用Windowsもなければ、医療向け専用Windowsもない、どの業種でも同じ。パッケージを買って、インストールするだけで終わり、ものすごくレバレッジの効くビジネスだと思う。Windowsまでいかないにせよ、多くのパッケージは、”お客さんのやりたいこと”がだいたい凝縮されていて、それをインストール&カスタマイズである程度のことができる。そして、”だいたい”という最大公約数をどこに設定するのかが、企業の腕の見せ所、ニーズの捉えどころなんだと思う。

 こう考えると、最初の”顧客の創造”とは、単に、お客さんのわがままを叶えておカネをもらうのではなく、お客さんがおカネを払ってでも、その成果に満足する仕組み(イノベーションとも言えるかもしれない)を作ることなんだろうと思いました。改めてドラッガーの教えての深さが身に沁みます。

スグに年収1000万をもたらす30の技術スキル

3月 2nd, 2013 | Posted by admin in テクノロジー - (スグに年収1000万をもたらす30の技術スキル はコメントを受け付けていません)

年収1000万をもたらす30の技術スキル

http://www.businessinsider.com/10-tech-skills-that-will-instantly-net-you-100000-salary-2013-2#に、年収1000万円($100,000+)をもたらすスキルとして、30の技術が紹介されています。それによると、30の技術スキルは以下。

  1. SaaS
  2. Data Warehouse
  3. Change Mamagement
  4. Azure(MSのクラウド)
  5. Nginx (オープンソースのwebサーバ)
  6. Business Intelligence
  7. HP-UX
  8. Weblogic
  9. UML
  10. kanban (いわゆる、カンバン方式でソフトウェア開発管理する方式、くわしくは、
  11. SOX
  12. People Code(People Softの開発言語、同社はオラクルに買収されたものの、使っている企業があるので、需要があると)
  13. ウォーターフォール開発方式
  14. Scrum (アジャイル方式での開発手法)
  15. FCoE (Fiber Channel )
  16. Lean (リーン式開発方式)
  17. Korn Shell (いわゆる、UNIXのシェルだけど、UNIXサーバ管理という意味で)
  18. Fortran
  19. JDBC
  20. CMMI (ソフトウェアの品質管理手法)
  21. ETL
  22. Objective C
  23. Jetty(Java web server)
  24. Mondo DB
  25. SOA
  26. Omnigraffle
  27. PMBok
  28. NoSQL
  29. Big Data
  30. Hadoop

正直、これあり?というのもあり、かつ、これ入ってないの?(例:Runy on Rails)もあるけど、だいたい納得できる。自分もITコンサルとして、IT企業、ユーザ企業の方とお話をしていて、だいたい、需要があるのが、1.プロジェクト管理(このリストでは、PMBok,CMMI,Scrum,ウォーターフォール、UML、SOA,Kanban)、2.レガシーのインテグレーション(Fortran, JDBC, HP-UX, FCoE)、3.データ管理・分析(Data Warehouse,Business Intelligence,ETL, Big Data, NoSQL, Big Data, Hadoop)あたり。いずれも本を読んで勉強してもすぐ身に付くものではない、だから、 “A $100,000+ Salary”をもたらすのだと思う。

ちなみに、Datawahous、Business Intelligence, ETL(E(Extract),T(Transform),L(Load)、データのカタマリをETLを経ることで、分析可能なモノにする)について、2012年3月に発売した拙著「ビックデータ戦略」で紙面を割いて書いてます、こちらもぜひご一読を。

ビッグデータ戦略―大規模データ分析の技術とビジネスへの活用
ビッグデータ戦略―大規模データ分析の技術とビジネスへの活用 長橋 賢吾

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連載 世界ハイテク企業ウォッチ:Facebook

2月 28th, 2013 | Posted by admin in お知らせ | テクノロジー - (連載 世界ハイテク企業ウォッチ:Facebook はコメントを受け付けていません)

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ 3つのイノベーションで“復活”するフェイスブック、その収益力は本物か?

四半期に一度書かせて頂いている世界ハイテク企業ウォッチが公開されました。

今回取り上げる企業は、Facebookです。去年、上場したばかりのときは、スマホでまったくマネタイズできていなかったのですが、去年の下期からぐんぐんマネタイズが進んでいます。そういう意味で、”景色が変わった”企業です。その背景には、CEOのマーク・ザッカーハーグのビジョンにくわえて、COOのシェリル・サンドバーグのオペレーションが加わって、ビジョン+オペレーションの強い会社になりつつあるというのがカンファレンスコールを聞いての印象です。次回も、四半期に一度アップしますので、お楽しみに。

【連載】世界ハイテク企業ウォッチ 3つのイノベーションで“復活”するフェイスブック、その収益力は本物か?