最近読んだ本「M1-はじめました」(谷良一著)は、いろいろ考えるところがありました。まあ、この本はタイトルの通り、漫才のナンバー1を決めるM1が生まれるまでのストーリーです。
いまでこそ、M1は、漫才ナンバー1を決める大会として抜群の認知ですが、いまから20年以上前の2001年、第1回M1を開催するまでは、いろいろ紆余曲折があったそうです。当時の吉本興業では、漫才の人気に陰りがでていて、著者が漫才を盛り上がる企画からスタートします。そして、島田紳助に相談して生まれたのが漫才のナンバー1を決めるM1。プロアマ問わず全国から予選を勝ち抜いたコンビが決勝で勝てば、賞金1000万円、一時中断もありましたが、今でもM1は続いています。
まあ、もちろん、このM1のサクセスストーリーは素晴らしいものです。が、自分にとって、このサクセスストーリー以上に、「なるほど」と思ったのが、「どういうコンビだとおもしろい漫才ができるか?」という話です。で、著者はおもしろい漫才コンビの共通する特徴がコンビの仲が良いことを指摘します。「仲が良ければ息がぴったり合う。仲が悪いと合わない。だから仲が良いということは漫才がおもしろいということだ。」(同書p252)と指摘します。で、コンビの仲が良い、悪い、その境界線は嫉妬と言います。
「おれがネタを考えているのに、なんで相方の方が人気があるのだ。ボケのおれがおもしろいから人気があるのに、なんであいつが脚光を浴びるんだ。」こうしたお互いの嫉妬が本来であれば、コンビで相乗効果がある漫才をつまらなくする。一方で、2001年のM1勝者の中川家、時点のアメリカザリガニ、いずれもコンビの仲が良い、だからこそ、仲が良い漫才コンビの漫才は見ていて楽しい、と指摘します。
さて、自分が影響を受けたもう一つの本「THE GOOD LIFE 幸せになるのに、遅すぎることはない」、ハーバード大学が80年以上にわたる史上最長の研究が解き明かした健康で幸せな人生を送る鍵、別に経済的に豊かになる、高い地位に就くのではなく、いたってシンプルで、「健康で幸せな生活を送るには、よい人間関係が必要だ、以上」と指摘します。そりゃそうですよね、漫才コンビも同じでお互い嫉妬して、ののしりあっていては、健康で幸せな生活はありえないです。むしろ、仲が良い=良い人間関係を築く、これが大事だと。
で、どうやって良い人間関係を築くのか、これはいたってシンプルで、人間関係は生き物なので、ソーシャルフィットネス、自分の理解では、筋トレと同じように、常に人間関係をメンテすべしと指摘します。これは漫才コンビが仲良いと同じ話だと思いました。